第三十七幕 ページ46
翌日。
いつもと何ら変わらない朝。
私はベットからむくりと起き上がって時計を見た。
「……………うっそ」
時計が指している時刻は8時20分。
……前言撤回。
どうやら今日は、いつもより遅い朝のようだった。
……って、落ち着いている場合じゃない。
「急がなきゃ……!」
とりあえず洗面台へと向かうべく部屋を飛び出した。
そのまま顔だけ洗って髪を整える。
ダッシュで部屋に戻り、パジャマを脱ぎ捨て制服を着た。
教科書を鞄に突っ込んで財布と携帯も放り込む。
また部屋を飛び出して今度は玄関へと走る。
「いってきます!」
家には誰も居ないのに、それだけは大きな声で叫んだ。
……間に合うかな…?
一時間目は8時40分に予鈴が鳴る。
それまでに着けると良いんだけど。
幸い私は徒歩通学だから、運が良ければ……!
*********************
伊「…………にしても、珍しいね。Aがギリギリなんて。」
結論から言えば、私は予鈴に間に合った。
私が教室に滑り込むと同時に鳴った予鈴。
………危なかった……。
先生から白い目で見られながらも何とか午前の授業を乗り切って今はお昼ご飯。
と、言うわけで友達の永城伊織とご飯を食べている。
お弁当を持ってくる余裕など無かったので今日は学食である。
「寝坊したんだよ、久しぶりに。」
伊「ほー!それは本当にレアだねぇ。」
他人事だと思いやがって……!
「あ、そうだ伊織。」
伊「何ー?」
折角なので昨日引っかかったことを聞いてみる。
「伊織さ、前に同じ名前の従兄弟が居るって言ってたじゃない。」
すると伊織は少々考え込む様子を見せ、やがて手を打った。
伊「ん、居る居る。そいつがどうかした?」
「……その人の名前ってさ、」
伊「……東野伊織だけど?」
………そうだったのか……。
つまり、伊織の従兄弟って……
「歌詞太郎さんだったんだ……。」
伊「?どうかした?」
「ううん、何でもない。」
……………世界って、狭いんだなあ……。
259人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
旅の少女P - 補佐太郎さん» あ、多分そうゆうのって、ニコ動から入ったやつだと思いますよ〜。確認してみてください。 (2015年3月30日 13時) (レス) id: 80601c119b (このIDを非表示/違反報告)
補佐太郎 - 歌い手はニコニコだけじゃあねぇっすよー。ていうかニコニコよりユーチューブの方が多いからね。リクエスト良いかな? (2014年10月30日 22時) (レス) id: 35d43e0537 (このIDを非表示/違反報告)
あにゅ(プロフ) - 雨月さん» リクありがとうございます!続編の方の番外編で良ければ出してみようと思います! (2014年8月6日 19時) (レス) id: c66587fcb6 (このIDを非表示/違反報告)
雨月 - クプラと詩人さん出して下さい! (2014年8月6日 17時) (携帯から) (レス) id: ba54edea9d (このIDを非表示/違反報告)
あにゅ(プロフ) - はつねさん» うわぁぁぁぁ殿堂入りの瞬間見逃したぁぁぁぁ!!こういうのを教えてくれるのはいつもはつねちゃんっすね!いやー嬉しい。これからも頑張っていきます……! (2014年8月3日 12時) (レス) id: afa32fec6e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ