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第三十一幕 side スズム ページ39

ーー……何やってんだ俺。

ぼんやりとした頭の端で思った。

目の前には、驚いた顔のAちゃんが居て。

あー、そっか。
俺、Aちゃんと………。









………………あれ。


………何で。








ナンデコンナコトシテンノ?









頭の中が真っ白になっていく感覚。
俺、何でこんなことしてんの?





俺の意思とは裏腹に、身体は勝手に動いて。

Aちゃんの唇に舌を滑らせる。


「………………ゃ、」

その感触で我に返ったのか、Aちゃんが俺の胸を押す。



ちょうどその時。


『一階です』


エレベーターが一階についた。

タイミングが良いんだか悪いんだか良く分からないけど、とりあえずAちゃんから離れてエレベーターを出る。

もちろん、Aちゃんの手は握ってる。
これで逃げられてはたまらない。

Aちゃんは、俺に手を引かれるがまま着いてきたけど、この子危機感ないの?

あんなことされて、俺のこと怖くないのかな。


………俺、本当に何してんだろ。

今日会ったばっかの年下少女に。

そらるさんにちょっかい出すな、とか言っといて、俺が手ぇ出してどうすんの。

しかも危うくべろちゅーだよ。

ス「………Aちゃん。」

「…はい………」

ス「………ごめん。」

どうかしてた。

そらるさんが変なこと言うから。

Aちゃんのこと好きとか。

変なこと。

だから、調子狂ったんだよ。

俺がAちゃんのことを気に入ってるのは、あくまで歌い手としてなのに。

Aちゃんが何も答えないまま、最寄り駅に着いてしまった。

……どうしようか。


「……涼さん。」

ス「何、かな。………っ!!」







信じられなかった。
この頬の感触が。

さっきは唇に感じていた温度が、今度は頬にあって。



自分でもあり得ないと思う位に阿呆な顔をしていたと思う。


そんな俺とは対照的に、彼女は。

俺の頬から唇を離して



悪戯っ子のように微笑んだ。



「年下のこと、あんまり見くびると……。」








………あー。ダメだ、俺。
そらるさんの言った通りだったかもしんない。


「ちゅー、しますよ。」








俺、この子が好きだ。

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設定タグ:歌い手 , ボカロP , 夢小説   
作品ジャンル:恋愛
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旅の少女P - 補佐太郎さん» あ、多分そうゆうのって、ニコ動から入ったやつだと思いますよ〜。確認してみてください。 (2015年3月30日 13時) (レス) id: 80601c119b (このIDを非表示/違反報告)
補佐太郎 - 歌い手はニコニコだけじゃあねぇっすよー。ていうかニコニコよりユーチューブの方が多いからね。リクエスト良いかな? (2014年10月30日 22時) (レス) id: 35d43e0537 (このIDを非表示/違反報告)
あにゅ(プロフ) - 雨月さん» リクありがとうございます!続編の方の番外編で良ければ出してみようと思います! (2014年8月6日 19時) (レス) id: c66587fcb6 (このIDを非表示/違反報告)
雨月 - クプラと詩人さん出して下さい! (2014年8月6日 17時) (携帯から) (レス) id: ba54edea9d (このIDを非表示/違反報告)
あにゅ(プロフ) - はつねさん» うわぁぁぁぁ殿堂入りの瞬間見逃したぁぁぁぁ!!こういうのを教えてくれるのはいつもはつねちゃんっすね!いやー嬉しい。これからも頑張っていきます……! (2014年8月3日 12時) (レス) id: afa32fec6e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あにゅ | 作者ホームページ:http  
作成日時:2014年7月15日 16時

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