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第二十八幕 side you ページ36

そ「久しぶり、A。」




5年ぶりに聴いたその声は。

動画でよく聴いた『そらる』さんの声だったけど

確かに『お兄さん』の声でもあった。




咄嗟に、言葉が出ない。

沢山、言いたいことがあったのに。

急に帰ってごめんなさい

またね、って言ったのに会えなくてごめんなさい

あんな生意気な口きいてごめんなさい


でも1番は。




「……ずっと、会いたかったです……。」

そ「………うん。俺も。」

私を見て微笑むお兄さんは、昔と変わっていなかった。
でも、昔よりも穏やかな顔になっていて。

「あの時、色々とごめんなさい。」

そ「いいよ。俺は何か相談に乗ってもらっちゃったし。」

「…生意気でしたよね。」

そ「でも俺が今こうして居るのは、あの時のAのおかげだよ。」

なんだろう。
この人と話すうちに、
心がほぐれてく。

そ「Aが俺を『そらる』にしてくれたんだ。」


……やばい。
泣きそうだ。

お兄さんのこと、忘れていた訳じゃない。
それでも、あれから色々なことがあって。

また会える日が来るなんて思ってなかった。

ましてこんなことを言ってくれるなんて。

あの時の私は、ただ思ったことを言っていただけ。
何にも考えないで、何て幼かったんだろう。


……でも。
そんな幼い日の私が、こんなに人の役に立っていたなんて。

嬉しい

そ「ありがとうA。俺と、あの時出会ってくれて。」

そんなの、
そんなの、こっちの台詞だ。

「いえ……私の方こそ、ありがとうございました。」

あの時、お兄さんに会ったから。
私は笑っていられた。

私の話をきちんと聴いてくれる人に会ったから、私は思ったことを素直に話せるようになった。

「あの時出会えて、本当に嬉しかったです。」

お兄さん……いや、『そらる』さんは柔らかく笑った。
その笑い方は変わっていなくて、何だか安心した。
私とそらるさんが笑い合ったその時。




ス「あのーお二人さん?」






あまり機嫌が良さそうでない………涼さんの声が響いた。







………あ。
まふまふさん達のこと、忘れてた。

第二十九幕→←第二十七幕 side そらる



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設定タグ:歌い手 , ボカロP , 夢小説   
作品ジャンル:恋愛
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旅の少女P - 補佐太郎さん» あ、多分そうゆうのって、ニコ動から入ったやつだと思いますよ〜。確認してみてください。 (2015年3月30日 13時) (レス) id: 80601c119b (このIDを非表示/違反報告)
補佐太郎 - 歌い手はニコニコだけじゃあねぇっすよー。ていうかニコニコよりユーチューブの方が多いからね。リクエスト良いかな? (2014年10月30日 22時) (レス) id: 35d43e0537 (このIDを非表示/違反報告)
あにゅ(プロフ) - 雨月さん» リクありがとうございます!続編の方の番外編で良ければ出してみようと思います! (2014年8月6日 19時) (レス) id: c66587fcb6 (このIDを非表示/違反報告)
雨月 - クプラと詩人さん出して下さい! (2014年8月6日 17時) (携帯から) (レス) id: ba54edea9d (このIDを非表示/違反報告)
あにゅ(プロフ) - はつねさん» うわぁぁぁぁ殿堂入りの瞬間見逃したぁぁぁぁ!!こういうのを教えてくれるのはいつもはつねちゃんっすね!いやー嬉しい。これからも頑張っていきます……! (2014年8月3日 12時) (レス) id: afa32fec6e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あにゅ | 作者ホームページ:http  
作成日時:2014年7月15日 16時

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