瞬間的感情論【歌い手】

第十七幕 ページ19

「コココココラボ、ですか‼︎？」

まふ君の唐突過ぎるコラボの誘いに、やっぱりAちゃんはびっくりしていた。

とはいえ、Aちゃん程ではないけど俺も少なからず動揺したのは認める。

てか、まふ君はAちゃんの歌、いつ聴いたのさ。

なんで俺がこの子に目をつけたこと知ってるの？




…………………そらるさん、か。


あーあ。そりゃまふ君がぽるとしてのAちゃんとコラボしたら面白いし、凄いものが出来るよ。


でもなぁ………。
何て言うか、

ス「気に入らないなー……。」

「？……涼さん？」

あれ。口に出てたか。

ま「何が気に入らないのスズムさん。」

んーー。どうしよ、何て言おう。
てかまふ君顔怖い。
そんなにコラボしたいか。

…………あ。

そっかそっか。
俺は、Aちゃんがまふ君に取られるのが嫌なのか。

あー納得。
でも多分、恋愛感情じゃないなコレ。

ほら、子供がおもちゃ取られるのが嫌なのと同じ感じ。

まあ人をおもちゃと同じにするのはアレだけど。


おっけーおっけー。
それなら俺にも考えがある。

あの人も巻き込んでやる。

そして俺はやっと口を開いた。

ス「ごめんごめん。気に入らないって言うのは冗談。でもさ、どうせコラボすんなら誘いたい人が居るんだよね。」

ま「3人でコラボするってこと？」

ス「そうそう。で、どう？Aちゃん。ていうか、コラボしてくれない？」

Aちゃんは、少し俯いて視線を泳がせた後、小さく頷いた。

「私なんかとコラボして頂けるなら是非…。
でも………。」

ス「でも？」

「3人って、後一人は誰なんですか…？」

俺は、その質問を待っていたとばかりに笑顔で答えた。

俺に作れる限りの最高の笑顔で。

ス「歌い手のそらるって知ってるかな？」

俺の横でまふ君が小さく息を呑んだのが伝わってきた。

そらるさん？俺の計画、まふ君にバラしたんだから………


もちろん、そらるさんにも参加してもらうよ？

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