│４│うらた.side ページ4
良く行く本屋で、たまーに見る彼。
初めて見た時の格好が、白いTシャツに青のセーターをディレクター巻きして黒のパンツで決めていたから、印象には残ってる。
大体その人はミステリー小説の所に居て、1冊ずつ丁寧に本棚から取って冒頭部分を読んでから、気に入ったものを購入していた。
気になって俺も同じものを買ってみたけど、難しくて良くわからない。でも、何となく家の本棚では1番取りやすい所に置いてある。
そんな、趣味の合わなさそうな彼と初めて話したのは、良く行く本屋の漫画コーナー。
『あの、すみません』
「？は、…ぃ…」
『おっ、と』
声をかけられた時は心底驚いて、思わず持っていた雑誌を落としてしまいそうになり、それを彼が慌てて持ち直してくれた。
触れられた手が、火傷でもしたんじゃないかってくらい熱を帯びている。ジンジンと、熱い。
『突然すみません……、本、大丈夫そうですか？』
「あ、た、多分。大丈夫です」
『なら、良かった』
分りやすく安堵した表情をする彼の、この表情は初見だ。いつも真面目に本を読んで、レジに並んで店員に笑顔を見せていた彼。こんな風に安心したって顔は、初めて。
じっと彼の表情を見つめていたら眼中の彼が首を傾げたので、俺は慌てて振り払った。
彼はひとつ、小さく笑ったかと思うと、『あの』と言いかけてた事の続きを口にする。
『少年漫画って、何処だか教えてくれませんか？』
「少年、漫画……？えっと…此所から3つ右の棚です。」
『3つ右、ですね。ありがとうございます』
「……あの、何で俺に？」
店員は周りに居るのに、と一言添えて、本当は嬉しくて堪らない気持ちを隠せば、彼は頬をかきながら苦笑いを浮かべた。
『よくいらっしゃるのをお見かけしたので…きっと知っているんじゃないかなって思ったんです。店員さんに聞くのは、少し恥ずかしいので』
だから俺に聞いたんだ。
よく此処の本屋に居るから。
漫画とか、見てることが多いから。
俺に、聞いたんだ。
「……貴方も、たまに来ますよね。此処」
『はい、ごく稀にですけど。ご存知だったんですね』
「……よく、いらっしゃるのをお見かけした、ので」
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関西風しらすぅ@坂田家 - 椅子に謝るセンラさん天使か (2019年5月26日 1時) (
レス) id: f34e486c2f (このIDを非表示/違反報告)
ぱふねこ(プロフ) - とても大好きな作品です！更新楽しみにしています！ (2019年3月15日 21時) (レス) id: d86ba7e8d7 (このIDを非表示/違反報告)
Riruru(プロフ) - コメント失礼します！ とっても面白いです！更新楽しみにしています！ (2018年11月25日 12時) (レス) id: e3698b3234 (このIDを非表示/違反報告)
-naki-(プロフ) - りぃさん» この世のイケメンの良いところを組み合わせて出来たイケメンが沼崎さんです…。いやぁ、主人公のスケールでかいですよね。書いたの私なんですが…( ﾟ∀ﾟ) 拓真くんも沢山出てくるのでお楽しみに！コメントありがとうございました！ (2018年10月14日 11時) (レス) id: 51c4e75278 (このIDを非表示/違反報告)
りぃ - 沼崎さんどんなけイケメンなんや…。AtRと浦島坂田船が惚れるほどって…まさか居酒屋で浦島坂田船が集合してしまうとは！！ みんな可愛すぎかよ拓真くんも可愛いし…。 無理しない程度に更新頑張って下さい！ (2018年10月10日 2時) (レス) id: 649b8a9daf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：-naki-
| 作成日時：2018年7月25日 23時
