生放送しないだけでこんな問題になる？【歌い手】

│２２│まふまふ.side ページ23

『…何にもお構いできなくてすみません』
「いえ！すいみぃさんと話せて良かったです」
「RiKuさんにも、よろしく伝えておいてください」

RiKuさんも寝てしまって、すいみぃさんも限界そうだということで、僕らは手伝うだけ手伝ってから帰ることにした。
玄関先まで送ってくださるすいみぃさんは、かなり眠そう。

「…」

これで終わりか

このまま僕らが玄関から外に出れば、すいみぃさんとの関わりは最初に戻ってしまう。

せっかく会えて話せたのに。
そんなの、嫌だ

「っ、すいみぃさん！」
『ぇ、はい』
「一緒に写真撮りましょう！！」

せめて彼女と会った証拠が欲しい。
夢から覚めた明日でも「昨日は楽しかったな」と思える記録が欲しい。

すいみぃさんは、思わず前のめりになった僕に苦笑いをして、頷いてくれた

『…こんな顔でよければ』
「あああり、ありがとうございます！！」

スマホのカメラを内向きにすると、僕とすいみぃさんの2人だけが枠に収まる。
そらるさんは気を遣って離れてくれているみたい。さすがそらるさん。

「い、いきますよ」
『へい』

小さなシャッター音と共に、僕がすいみぃさんと会った記録は残された。
いつも通りの僕と、控え目にピースをするすいみぃさん。

心のなかでガッツポーズをしながら2人に目を向けると、そらるさんもすいみぃさんと撮っていた。

それにちょっとモヤッとして、2枚目を撮ろうとする2人に近付いてスリーショットにしてやった。

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