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《Aside》


朝起きると、手短に身支度を済ませて最後にばぁちゃんと少し掃除をした。



それであっという間にその時が来てしまった。


ガチャリ、と虚しく感じる音を立てて施錠される。





みどくんは、


そう思って辺りを見回してみても、みどくんの姿はどこにもなかった。



また一段と憂鬱な気分になり、最後に感謝の気持ちを伝えておけば良かったと後悔する。




「さ、車に乗ってな。ばあちゃんは大家さんに鍵返してくるさかい、」


ばあちゃんに促されて車のドアを開けようとした時




「Aちゃん!」



ハッとして振り返る


『来てくれんのかと思うた、』


「来んわけないやろ」



よっぽど急いでロードを走らせてくれたのか息を切らしている。




「Aちゃん。これあげるわ、、、」


そっぽ向いてぶっきらぼうに何かを差し出された


手に取ってみると


淡い黄色の封筒で


少し分厚いものが入っているのか膨らんでいた



「開けて、みてや」


シールなど貼られていなかった封筒を開けて中身を見ると


『ヘアピン?』


中は小さな星が付いている小洒落た金色の細いヘアピンだった


「似合うんやないか思うて、その、、、、〜」

俯いてゴニョゴニョ呟いている


私は封を開け、その場でヘアピンをつけた



込み上げてくるものをグッと抑えて、精一杯笑って



『おおきに!こんな可愛ええもんよう見つけたなぁ』


「た、たまたまや!たまたま見つけたんやッ!」

必死になっているみどくんが少し可笑しくなった




「お友達?」

『ばあちゃん!』


ペコッと会釈をするみどくん


「うちのAがお世話様でした、、、ほな、行こか。」



先に車に乗りこんだばあちゃん



『みどくん、私と友達になってくれてホンマにおおきに。めっちゃ楽しかったで、』





「その、あの、、、

実はAちゃんに言いたいことがあるんや!

せやけどこれは、今度会えた時にそれまで取っといてええ、、、?」


『、、、ええよ!それまで待っといたるわ!約束やよ?』


「お、おん、!」


物凄く名残惜しい


『、、、そろそろ行くわ。ほな元気でな。怪我あんまりせんようにな?』


「分かっとるよ、Aちゃん。おおきにッ!」





私は車に乗った

発車しても私は振り返らんかった

振り返ったらもっと泣いてまう気がしたんや


黄色の封筒には手紙が入ってた


私はその手紙を読んだ




ホンマにおおきになぁ、、、みどくん____

:〃(『みどくんからの手紙』)→←:4



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翔菜(プロフ) - Woharuさん» みどくんも男の子デス。とても健全なw (2022年5月8日 1時) (レス) id: 288501894e (このIDを非表示/違反報告)
Woharu(プロフ) - なるほどぉ!健全な男子高校生!!www (2022年5月8日 1時) (レス) @page30 id: 3d7dba65f9 (このIDを非表示/違反報告)
翔菜(プロフ) - Woharuさん» あっ!笑 ありがとうございます(*^^*) (2022年3月13日 11時) (レス) id: 288501894e (このIDを非表示/違反報告)
Woharu(プロフ) - 良い展開になってきたねー!ミドくんがぁ嫉妬ぉぉ❤️ (2022年3月13日 1時) (レス) id: 44ad5b70ae (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:翔菜 | 作成日時:2021年11月4日 22時

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