御堂筋翔の初恋奮闘記【弱虫ペダル】 (ページ14)

今日:3 hit、昨日:8 hit、合計:12,469 hit

:5 ページ14

2年生になって、後輩が入ってきた

私は先輩みたいに接しないと思ってたんやけど、つい、

『おーい1年ー。ちゃんとしよし！』

少しキツい口調で言ってしまった

その時やったんや

何故か後味が良く、後ろめたい気持ちにならんかった

そして私は後輩をいびることの快感を覚えてしまった

それから段々と、

強うなるためには雑念・煩悩・情を捨てなあかんと思うようになった

実際、全国に行けたし、気持ち的に気持ちえかったんや

でもそれとは裏腹にテニスをしてない時の私はそんなこと以ての外で、自己嫌悪感に苛まれた

まるで二重人格のように性格に違いが出始めたのは嫌やった

でもそれも慣れた

全ては"慣れ"や

慣れてしまえば何やったってキツうないし、結果身になっとるしな

京都に戻ったらみどくんと一緒に自転車部に入って、全国優勝するんが夢になった

その為には無駄なもんは捨てな

優しいみどくんはどれぐらいの覚悟でロードに挑んどるんか見るのが楽しみやった

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

結果、みどくんはロードに対してより過酷に残忍に成長しよった

これで全国優勝目指せるわ

『理想のチーム作ろうやぁ、みどくん』

「ﾌﾟｯｸｸﾌ､､､せやねぇ」

『まずはエースくんに勝たなな！頑張ってな！』

「当たり前や。勝つよ。､､､ボクは勝ち続けるで」

『そやな！』

その後、まだ早い気もするけど部の方針や他校の偵察とかの話し合いをした

すると気づいたらもう夕飯の時間で、ユキちゃんに呼ばれて母屋に戻って夕飯をご馳走になった

『みどくん。みどくんも要らんもん捨てとる言うてたけど、私のことは捨てよう思わへんの？』

家近いのに送ってくれてるみどくんに尋ねた

少し間があって

「捨てはせんよォ。キミィはボクが勝つんに必要なもんと判断した､､､よってキミは捨てへん」

『､､､そか、なら良かったわ！』

「､､､ｷﾓｯ」

『あー！悪口だけはあかんよー』

みどくんもしかしてｷﾓｯが口癖になっとるんやろか

『送ってくれてありがとうな。またあした』

「またあしたァ」

そのまま踵を返して帰っていくみどくんの背中を見ながら

あぁ、京都に帰ってきて良かったわ、そう実感した