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太「ぅ…っ、うぅ、」
至「え、ちょ、この声この歌い方って。…え?」
一「マジ感動…!録音しておけば良かった〜!」
千「ちょっとは落ち着きなよ、君達。」
啜り泣く太一に拍手を続けながら混乱して疑問しか浮かばない至にスマホを握り締め駄々をこねる一成。そして呆れながら突っ込む千景である。
三「俺は知ってたよ〜!A、よく頑張りました!よしよ〜し!」
真「なぁ、アンタの歌今度録音させて。」
万「本物のなつかよ、生歌鳥肌もんだったわ。」
床に座る少女を優しく抱きしめ頭を撫でる三角とぐいぐいと迫る真澄に腕の鳥肌を確認する万里である。
それを遠目で見守る大人組と未だ放心状態のメンバー。
『あ…、有難う御座いますっ。』
少女は心の底からの笑顔で精一杯応える。その笑顔がきっかけで涙を溜めていたいづみの涙腺が崩壊し三角とは逆の方向から少女を抱きしめる。
い「Aちゃん…っ!本当に凄かった!こんな表現の仕方があるんだね、素敵だったよっ!」
一気に捲し立てるとまたずびずびと鼻を鳴らして泣く。そんないづみを皆で笑う。少女にとってそれは最高に幸せな一時であった。
その日を境に少女の周りへ対する態度がいい方向へと変わっていった。
まずは、よく笑うようになった。白い歯を見せて笑うのだから周りもつられて笑顔になる。
それから、団員への名前の呼び方と話し方である。今までは苗字にさんを付けて呼んでいたが三角を筆頭に名前で呼ぶよう指摘が多くされ下の名前で呼ぶよう心がけられていた。
そしてかっちり敬語だった喋り方が砕けた喋り方へと変わり親近感を覚えさせる。
少女と団員の心の距離が以前より近付いた証拠ではないだろうか。
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作者名:千依 | 作成日時:2021年2月26日 7時