【A3!】歌い手とMANKAI寮

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『おはようございます。』

早朝、少女は制服に身を包みキッチンに現れる。そこには既に臣が立っており朝食の準備をしている。

臣「ああ、おはよう。今日も早いな。」

手際良く作業しながら挨拶を返してくれる。臣の邪魔にならないよう傍に行き手伝う旨を伝えるとサラダの盛り付けと食器の準備を任された。
大きな冷蔵庫からレタス、玉ねぎ、キュウリを取り出しそれぞれ冷水で洗い1口大の大きさにする。盛り付けていきその脇にプチトマトを添える。レモン風味のドレッシングを作り適量をかけていく。
それが終わるとテーブルへ並べて食器を並べていく。臣が終わる頃に今度は使った調理器具を洗う。

臣「手際が良いんだな、助かったよ。ありがとな。」

『そうですか？家でも料理はしてたのでそのせいかもしれません。』

感心といった面持ちで少女を見やる臣、少女は褒められることに照れ臭くなり洗う事に集中する。

学生組が起きてくる頃、一足先に少女は朝食をとる。誰よりも遠くの学校へ通っているため早めに出る必要があるのだ。帰りも遅くなることを伝えてあるため夕食の準備はしなくてもいいことになっている。

朝食を食べ終わると挨拶をそこそこに『行ってきます。』と言いMANKAI寮を出る。



▽―――


『…〜♪』

時刻は17時。場所は音楽準備室。そこで少女は放課後の取り組みをしている。
備品のアコースティックギターを細くしなやかな指で奏でて鼻歌を歌う。

少女の通う高校には音楽に関する部活動がなく音楽室が使われないため教師に確認を取り活動場所にしている。しかし、【なつ、】だとバレないためにも目立つ音楽室ではなく音楽準備室で細々と活動している。
作曲活動であったり、歌い手の収録であったりと少女が1年生の頃からお世話になっている場所である。

夏に予定しているオリジナル曲の作曲にアコースティックギターを操り音を奏でていく。時折ルーズリーフに書き込みをしてまた奏でる。

18時の15分前とする時間に今度は収録を始める。

【なつ、】〼〼〼〼〼【歌ってみた】

とタイトルを付けて桐谷へとデータを送信する。そうして学校生活の1日は終わる。足早に下校し電車へ乗り込む。



 

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