最後の歌【オリジナル小説】 (ページ5)

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5話憑依ページ5

雫はいつも笑顔だ。

だけど俺がいない時に悲しい顔をしていた。

こいつ子供のくせにいっちょ前に我慢なんてしてやがるのか。

梓｢雫、出かけようか｣

雫｢梓、どうしたの？！熱かな？｣

こいつってやつは……!!

前言撤回してぇ…。

梓｢地縛霊でもこの部屋から出る手段はねえのか？｣

そう尋ねると雫は口を開こうとしたがすぐ｢ないよ｣と貼り付けた笑みで言った。

ほら、また我慢した。

梓｢あるんだな。話せ、じゃなきゃプリンはやらない｣

プリンという単語に弱いこいつは少し唸り我慢したが言葉を発した。

雫｢地縛霊は憑依すれば大丈夫と聞いたことあるよ。でも憑依なんて私には出来ないよ｣

悲しげな笑みのまま彼女はプリンを強請った。

梓｢プリンは外で食う。憑依されてもそんな支障はねぇよ。ほら｣

そういい目を閉じてると数十秒後温かい何かを感じた。

これが雫の体温。

懐かしくて温かい

雫『うわ、梓変態。』

梓｢俺の思ってることを感じてるのかよ。｣

マフラーとニット帽、カバンを持ち部屋を出た。

そうだな…まずは美味しいものでも食うか。

雫『プリンがいいなぁ！！プリン！プリン！』

わーったよ。うっさい