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再演 第四章 ページ4

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 きっかけがなんだったのか、それはもはや誰にもわからない――が、結論として、出来上がったのは阿鼻叫喚のお祭り騒ぎだった。
 枕投げである。
 いかにも中学生らしい、ちょっとしたおふざけと可愛らしいはしゃぎっぷりとが合体したイベントだったが――それは“ちょっとした”“可愛らしい”では済まない乱闘ぶりと化していた。恵まれた身体能力をフルに使って相手を仕留める。その場にいる全員がそれを目的としている異様な空間ができあがる。
 大体ルールもへったくれもないのだから止まりようがない。
 徐々にヒートアップしていく枕投げの熱は、フロア全体にまで広がろうとしていた。

「……なんじゃこれ」

 仁王はあきれたように呟いた。もっとも、その声は喧騒に紛れて、自分の耳にすら届かなかったのだが。飛び交う枕の被害に遭わないよう気を張りながら、少し離れたへりで、彼は手の中で飲みかけのペットボトルを弄ぶ。Aの飲みさしだったが、勝手に仁王に押しつけて行ったのだから、飲み干されても文句は言うまい。
 彼も数分前までは仁王の隣であきれ顔を浮かべていたのだが、その頬を白い布が襲い――当然避けはした。反射神経の勝利だ――それを投げたらしき可愛い可愛いくるくる頭の後輩が、げっ、という顔をしたのが見えてしまったものだから、Aは嬉々として乱闘の中に突っ込んでいった。ぎゃー! という赤也の悲鳴がかすかに聞こえた。
 Aの見張り役をそれとはなしに仰せつかっている仁王ではあるが、さすがにぴっとりと付き纏う気はない。ごちゃごちゃとうごめく人と布の向こうに、時折金色がきらめくのが見える。金髪も長髪も他にもいるが、Aのそれが一番長くて目立つ。アクセサリー類のせいで輝き感も倍増だ。
 わあわあとこもったような騒音の中から、Aの声を探り当てようと、仁王はそっと耳を傾ける。どうせ興奮でこれでもかと口が悪くなっている。


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角砂糖(プロフ) - 美琴さん» ありがとうございます!!(大声) (2020年3月11日 19時) (レス) id: 651af228bd (このIDを非表示/違反報告)
美琴 - 好きです(突然の告白) (2020年3月9日 20時) (レス) id: 0419c563a9 (このIDを非表示/違反報告)
角砂糖(プロフ) - 蘇芳さん» この作品を愛していただき本当にありがとうございます。この話の続編は、今の所はあまり考えていません。今非常に私生活が忙しく、それが一段落したら何か書きたいなとは思っていますので、いつになるかわかりませんが、もし気が向けばお付き合いいただけると幸いです。 (2020年1月30日 4時) (レス) id: 651af228bd (このIDを非表示/違反報告)
蘇芳(プロフ) - とても面白くて一気に読んでしまいました!もしもあるのなら続編楽しみにしています。これからも頑張ってください! (2020年1月24日 20時) (レス) id: ec6c109e68 (このIDを非表示/違反報告)
ピット☆(プロフ) - 角砂糖さん» そうです!覚えていてもらえて嬉しいです!!予定があるかはわかりませんが次の作品をお待ちしてます! (2019年11月20日 1時) (レス) id: f631e9f6d4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:角砂糖 | 作成日時:2019年3月18日 21時

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