My Rules【一次創作】 (ページ32)

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ガチャリと軽快な音が鳴ると、自動的に箱のフタが開いた。鍵のようだ。ドアのではなくて下の引き出しに使う鍵みたいだ。さっそく鍵を使い引き出しのロックを解除する。
　中には、ビデオテープとまた鍵。鍵はおそらくドアに使うんだろう。ビデオテープは右にあるテレビとビデオレコーダーで観れる。そして、ビデオテープには念を押すように" 必ず観ろ "と書いてある。見といた方が良いのだろうか。しかし、面倒くさい。ビデオなんて見なくても良いだろう、と思った俺はビデオをベッドの上に置いてドアの前に立った。

　重い木製ドアを開けた先に待っていたのは、言うまでもない。廊下だ。個室のような部屋があっていきなり外には出ないだろう。さて、とりあえず右には奥行きがないみたいだし、左に進んでみるか。一方通行のようだし。

　暫く歩いていると、辺りをきょろきょろしながら歩いている美門がいた。

「よ、美門。お前は無事だったのか？」

　そう声をかけると、美門は俺の方を振り向いて頷いた。

「うん」
「出口はあっちらしいから、とっとと行こうぜ｣

　と言いながら俺は美門の前を通り過ぎた。しかし、美門はワケが分からない、とでも言いたげな表情で俺に話しかけてきた。

「なんで？出口は、あっちでしょ？｣

　振り返ると、美門は、俺が歩いてきた道に人差し指を向けていた。戻れっていうのだろうか。なにかの冗談かと思いたかった。しかし、やけに美門はこっちだ、と主張する。これだけ言われると、戻った方がいいのかもしれない。が、俺はあっちに道があるようには見えなかった。だから行っても無駄だと思った。

「そっちは行き止まりだったぜ。まあ、お前が行きたいなら行けばいいんじゃないか｣

　再び前を向き、俺は歩き出した。すると、小さいが美門の声が聞こえた。

｢……して…………｣

　まだ何か言いたいのか、と思い後ろを振り向いた。すると美門は――。