My Rules【一次創作】 (ページ29)

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◆ 【閉じ込められた2人】ページ29

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「うっ……」

　慣れない体勢で寝てしまい、激痛が走ったことが原因で意識を取り戻した。だけど、今すごい状況に置かれているのが分かった。手足が麻縄で縛られ、身動きが取りづらい状況にある。冷静に解説しているのもどうかと思うけれど……、こういった状態になるのはよくある。

　こういう状況になると自身の記憶があるか不安になってくる。私は……美門藍奈。中学一年生。ここにきた原因は、クラスメイト、という文字を入れたから、だと思う。意外と記憶喪失にはなっていないみたいだ。ひとまず安心。記憶が抜け落ちていないことがわかると、私は部屋をぐるりと見回した。
　部屋は女の子が使っていそうな子ども部屋だ。絨毯は桃色、壁紙は真っ白。私のすぐ隣にはちょっとおしゃれなベッドが置いてあり、ベッドの隣にクローゼットがある。そして、私の前の方にテレビがあって、その先にドアがある。

　手が縛られてるんじゃ、ドアを開けようにも開けれない。刃物さえあれば切れると思うけど、どこかにあるのだろうか？

　この状況で私が部屋を調べれそうなのは、近くのベットの下と、家具が置かれていない床だ。あまり期待はできないけど、見てみよう。そう思い、ベットの下を覗いてみた。薄暗くてしっかりと見れないけど、ある物のシルエットは捉えられた。どうやって取れば良いだろう。方法は二つある。
　手か足をベッドに入れ、落ちているなにかを引っ張って取るか、長めの棒を見つけて引っ掛けて取る。いっそのこと諦めるという選択肢もあるが、これはさすがに論外だ。

　例え長めの棒を見つけても、うまく掴んでベッドの下に入れて、引っ掛けれる自信はない。手足を使ってなにかを取ったほうが早く済みそうだ。と考えていたら、左の壁の奥からブチッという音が聞こえた。なんの音だろう……。いや、今は急いでベッドの下にあるものを取ろう。

　取るのにかなり時間はかかったが、取れたのでよしとしよう。ベッドの下にあったのはカッターだった。幸い、縛られている手は前の方だったので慣れた手つきで麻縄を切っていく。いや、慣れてはいけないのだけれど。

「ふう……」

　ずっと同じ姿勢でいたため一度思いっきり伸びをする。しかし、まだ問題が解決されたわけではない。この部屋から出て、一刻も早く瑠花ちゃんと昌也に会わなければいけない。カッターをポケットにしまい、ドアの方へ近寄った。