My Rules【一次創作】 (ページ17)

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封筒の中に入っていたのは私達が住んでいる園蘭(えんらん)町の地図と御園先輩からの手紙だった。まず私達がみたのは地図。時間がかからず、ぱっと目を通せるからだ。
　地図にはある一定の箇所に丸がついてあった。今いる現在地は窪湖の左側で、どちらかというと園蘭池に近い。まあ、池と湖の真ん中あたりと言えばわかりやすいだろうか。私達がいる場所から南の方に、琥珀図書館がある。園蘭町に住んでいる者なら誰もが行く有名な図書館だ。

　窪湖の南東にある山に蛮勇(ばんゆう)ダムというダムが存在する。南東と言っているけど、この町からかなり遠い。そして、窪湖からみた北東には白洲(しらす)像というデカい像がある。大仏みたいなものだ。蛮勇ダムの近くに小さな井戸がある。木々の中にあるため、最近はあまり人が寄らない。
　更に、この園蘭池、窪湖、白洲像、井戸の文字の周りに黒く線が囲ってあった。おそらく、この場所に何かがあるんだと予測する。一通り地図を見終えると、次に手紙を読むことにした。手紙にはこう記されていた。

　"こんにちは、はじめまして。僕は御園和真です……ってもう知ってるかな？実はね、君たちを……ごめん、なんでもない。忘れて。って手紙に書くのも変だけど。地図見てくれたかな？見てなかったら後でみてほしいな。見ての通り園蘭町の地図なんだけど……、僕が紙の切れ端を隠しておいたんだよね。昌也のメールに送った丸に入る文字だよ。

　それと、瑠花ちゃんに渡した鍵は大事な物だからとっておいてね。じゃあ、頑張って！三人でちゃんと協力してよ？丸に入る文字がわかったら琥珀図書館の裏に行ってほしいな。わからないまま行ってもいいけど、意味ないよ

　それじゃ、次に会うときは………………"

　…………。

　男の子が書いたとは思えない字の綺麗さに驚きを隠せなかった。習字でもやっていたのだろうか。

　それ以外に、気になる箇所がいくつかある。まず、この手紙は行方不明になる前に渡されたのだから少なくとも3年前に書かれたはずだ。しかし、この手紙には鍵を持っていること、それから竜条さんがメールを受け取ったことまで書かれている。御園先輩はいったいなんなのだろうか。最後の文はなぜか字が滲んでいて読めず、分からずじまいだ。二人も色々な疑問を抱えたのか、数分間、三人の中に沈黙が訪れた。