My Rules【一次創作】 (ページ13)

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「……さて、本題に入るが」

　そう言いながら竜条さんは携帯を取り出した。

「一応確認しておくけど、これ、お前らの名前だよな？」

　携帯電話の画面をみせながら彼は私達に問いた。そこには、" 霧島瑠花 "と" 美門藍奈 "という文字が浮かび上がっていた。まだ他にも何か書かれていたので軽く目を通すと、" 二人と仲良くしてね "という内容だった。誰かからのメールっぽかったけど、誰から送られてきたのかまでは見れなかった。自分の名前が書かれていたことには驚いた、けど……。

「確かに私達の名前だよ。でも、それがどうかしたの？」
「これ、ここにはいない奴から送られてきたメールなんだよ。もう亡くなってる奴からの……」

　彼は真剣なんだろう。しかし、申し訳ないけれどこちらとしては「何を言っているんだ」という気持ちしかない。だけど、偶然かどうかはわからないが私には思い当たる節がある。これまた、「何を言っているんだ」という内容のものだ。あっているかもわからないのに、訊けるだろうか。だが、私は

「その人って――」

　と口走っていた。当然、視線は私の方に集まる。さすがにここで「やっぱりなんでもない」とは言いづらい。一か八かで名を口にするしかないようだ。

「御園和真さん……かなって」

　そう言うと、竜条さんは驚いた顔をした。やはり、彼だったみたいだ。けど、ここまで出来た偶然なんてあるんだろうか。御園先輩は行方不明になっているらしいけど、昨日、私は会った。幽霊だったとしても、「幽霊でした」で済む話だ。竜条さんにメールを届けなくてもいいはず。私は、少しおかしいなと思い始めた。

「うーん、でも、メールなんて成りすましし放題だよね？ほら、昌也って他人のアドレスとか管理してなさそうだし……」
「おい」

　美門さんは真剣な表情をして呟いた。それを聞いた竜条さんは額に青筋を立てる。

「そりゃねーよ。和真んちは姉弟で携帯を使っていたらしいから、今は姉が使っているはず。だから、アドレスもそのまんまだ。このメールとアドレスは一致しているんだ」

　竜条さんはそう言って違うことを主張した。まあ確かに、複数のアドレスは作れないような仕組みになっているから、お姉さんがずっとそのアドレスを使用しているのなら、同じアドレスから来ることはない。御園さんのお姉さんと私は関わりがないので、彼女が私たちの名前を出すこともない。そう考えると、このメールは少し気味が悪いかもしれない……。