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逃げてばかりではダメだ。どこかの少年が言ったようなセリフを、心の中で呟いた。日も落ちかけ、太陽が神樹を橙色に染め上げている。夕方だというのに、まだ外は温かく、涼しい風が吹くとちょうどいいほどだった。眩しい太陽を見ていると、なんとなく「がんばれ」と応援してくれているような気がした。
「願お兄さま」
「どうしたの?」
「あのね。この前まで色々ひどいこと言っちゃって……」
また喉が震える。喋りたくても喋れない。「うん」と相槌を打ち、次の言葉を待っている願お兄さまを見て、早く言わなきゃと気持ちが焦る。だんだんと喉が熱くなり、掠れて出た言葉。
「ごめん、なさい」
謝っただけいいじゃないか。そう言い聞かせても、気持ちは晴れない。今にも雨が降りそうな暗く曇った雲が心を覆って。こんなこと思っても、くろは被害者ではない。あと何回、彼を傷つけたらくろは報われるだろう。空を見上げると、暗い青空の中、星が輝いていた。
もらった金平糖を口に放り込むと、しょっぱさにえずきそうだった。ごりごりと噛みながら飲み込むと、本来の甘さがほんのり残った気がした。自分自身を見つめなおした。金平糖も、星屑もくろのことを笑っているように見えた。けらけら、けらけらと。いつか願お兄さまに優しくし返せたら、彼らは優しく微笑んでくれるだろうか。
それとも、「やっとか」と嘲笑してくるだろうか。
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北斗さん宅の印手 願くんをお借りしております。
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円藤 マメ(プロフ) - 菜の葉さん» ありがとうございます:) 褒められて照れる。リンク記載の件把握しました、よろしくお願いします!。 (2019年7月19日 19時) (レス) id: 3241387696 (このIDを非表示/違反報告)
菜の葉(プロフ) - 文才がヤバいですッ! クロちゃんの想いとか感情とか、すごい伝わってきます…! こちらの作品を、『リンク集』のところに載せさせていただきますね! (2019年7月19日 18時) (レス) id: 8971b2ec5c (このIDを非表示/違反報告)
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