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本当の性格を知っている人であろうと、普通なら上辺で取り繕えるから「行く」と答えるのだが、彼女だとどうもそれができない。だから、厄介なのである。
「行かないの?」
「ううん、行きたい」
「ウソだ」
「そうだけど、でも行くよ」
外を見ると、まだ雨は降っていたが、先程よりマシになっており、小さくぽつぽつと降っていた。傘をさせば行けるだろう。早く行かないと。アジサイは、雨が降っていた方が、綺麗だと思うのだ。傘置き場にある傘を1本取り出すと、璃雨お姉さまを催促した。早く行かないと。
「1本でいいの?」
「うん」
首を傾げながらついてくる璃雨お姉さまを待った。きっといるはず。
外に出て、裏に回ると、たしかにそこにはアジサイが咲いていた。誰かが意図的に植えたようだった。青、紫、桃の色をした小さな花が束になっている。雨に打ち付けられたせいか、花弁が地面に落ちているが、それでもしっかりと咲いていた。濃い緑の葉の先の水滴が今にも零れそうだ。意外と、アジサイは綺麗だった。けれど、本当の目的はアジサイじゃない。
ケコリ。
「……へえー」
少しの沈黙の後、小さく璃雨お姉さまが呟いた。
「そうなんだ」
すぐに人の秘密を知るのだから、本当にずるいと思う。けど、最近は、知られることに悪い気はしなかった。だから、アジサイも見る気になったのだ。
「じゃー、連れて帰ろっか」
*
円藤マメは、未だに神樹の地形を理解していないのです。
渚さん宅の白銀 璃雨ちゃんをお借りしております。
いや僕っ子設定生かしきれてないからもう一本何か考えますわ。
【日差しと心の傾き】→←【どうやら つまりそれが正しいようだ】
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円藤 マメ(プロフ) - 菜の葉さん» ありがとうございます:) 褒められて照れる。リンク記載の件把握しました、よろしくお願いします!。 (2019年7月19日 19時) (レス) id: 3241387696 (このIDを非表示/違反報告)
菜の葉(プロフ) - 文才がヤバいですッ! クロちゃんの想いとか感情とか、すごい伝わってきます…! こちらの作品を、『リンク集』のところに載せさせていただきますね! (2019年7月19日 18時) (レス) id: 8971b2ec5c (このIDを非表示/違反報告)
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