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「集まったな。最後の宝石の話になるが――」
その後、フェイタンとフィンクス、パクノダがビルに訪れるとクロロはこれからのことを話し始めた。彼の話を聞きながら今いるメンバーひとりひとりを見ていく。
情報を聞き出すならシズク、パクノダ、シャルナークあたりが無難だろうか。念能力までとはいかなくても、宝石のありかくらい教えてくれそうな雰囲気はある。シズクはさておき、他の二人はただでは教えてくれなさそうだけど……。
それから、フィンクスは話しかけること自体が難しそうだ。けど誘導尋問をするなら彼が最適な気がする。フェイタンは教えてくれなさそうな雰囲気がある……が、昨日のように何か裏がある場合ならすんなり教えてくれそうだ。でも、昨日みたいなことは勘弁だから最終手段にしておこう。
クロロは正直どっちつかずだ。私の念能力は認めてくれているけれど、だからといって盗んだものをすんなりと教えてくれるだろうか。盗んだにも関わらず取引をわざわざ飲み込むような男だ。なにを考えているかわからない。それなら、まずは先に挙げた三人から当たろうか──。
「フィンクス、シズク、Aに行ってもらう。いいな？」
「りょ」
「了解です」
……え？
「あ、はい」
二人が二つ返事で引き受けたものだから流れで行くことになってしまった。いや、実のところそこが問題なのではなく、フィンクスとの行動が不安だった……という方が正しい。
「他のヤツも異論はないな？」
「うん、オレはないよ」
「私もよ」
フェイタンは特に何も言わなかったが反論するような素振りもなかったため、クロロは「ない」と受け取ったのだろう。
「決行は明日の夜だ。それまでは好きにしてていい」
今日は解散だ、と言われると一部の人はさっさとビルから出て行ってしまった。案外さっぱりとしていて遠慮とかなさそうだ。社会と切り離された集団ゆえか、社会的な立ち振る舞いがなくてそこは羨ましく思う。
とにかく、昨日のことをパクノダに聞いてみよう。私がぼさっとしている間にシズクとシャルナークは帰ってしまったし。
「パクノダさん。聞きたいことがあるのだけど……」
「ええ、なにかしら？」
「ありがとう。できればこのビルの外で話したいの。いい？」
そう尋ねると、パクノダさんは潔く了承してくれたため、私はパクノダさんと一緒にビルから出た。
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