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「アイツはシャルナークだ。だいたいのヤツはシャルと呼んでいる」
ああ、紹介の時間か、と納得する。急に仲間意識を持たれても困る。そう思いながら紹介されたシャルナークという青年に視線を向ける。初めて見たときも思ったけど、彼はこの旅団には合わないほどの爽やかな好青年だ。小麦畑のような金髪に、澄んだ青い瞳に加え整った顔立ちは、町中ですれ違えば女性の目を惹くに違いない。羨ましさを覚えつつも彼に一礼をする。
続いてクロロという男は、シャルナークの隣にいるグラマラスな女性の方に体を向けた。
「シャルの隣にいるのがパクノダだ」
一番に目につくのはやはりスタイルの良さだろう。ウエストが細く女性らしい体つきをしている。それに加え、鼻が高くまつ毛が長い美人だ。私とは対照的な容姿に同じ女性として生まれたことを惨めに思う。彼女には嫉妬心を覚えながら礼をした。
次にクロロは、パクノダから少し離れたところに立っているジャージ服の男を見る。顔を見ただけで、彼の不機嫌さが伺えた。
「アイツがフィンクス」
私と目があった彼はすぐに舌打ちをして顔を逸らした。かなり嫌われているみたいだけど、それもそうかと納得する。どこの馬の骨かも分からない女といきなり一緒に行動することになったのだ。しかも、誘ったのは彼が信頼しているであろう団長だ。彼が不機嫌になってしまうのもわかる。こちらからもあまり関わらないようにしよう、なんてことを思いながら彼にも礼をする。
フィンクスという男の背後には建物の屋根が崩れた瓦礫が落ちており、その崩れた瓦礫に座っている男を紹介してきた。
「その隣に座っているのがフェイタンだ」
全身真っ黒の男。彼だけは嫌でも覚えている。私自身痛い思いをしたというのもあるけれど、なによりエトレアさんの件は許していない。たしかに彼は同じ盗人ではあったが、決して殺して良いわけではなかった。
フェイタンと呼ばれた男は、フィンクスのようになにか反応するわけでもなく、闇のように黒い瞳でただ私をじっと見ているだけだった。なにを考えているわからない彼が少し不気味に感じて、少し視線を逸らす。でも、彼だけ礼をしないというのも失礼な気がしたので、彼にも礼はしておいた。若干、頭の下げる角度が上がっていたかもしれないけれど。
「最後に、フェイの後ろに座っているのがシズクだ」
フェイタンという男の後ろを見ると、眼鏡をかけた女の子がちょこんと座っていた。
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