33話 ページ36
あ、でもまだお風呂入ってないや。入らなきゃ。
すやすやと眠る純くんを起こさぬ様にそっと棚に近づく。
お風呂入らないまま至さんと寝たなんて汚いな・・・。
至さんに申し訳ない気持ちに苛まれながら私はお風呂へと向かった。
_
・・・最近頭痛が多い。その度に何か見たことのない景色が見えて。
なんだろう。
何回も見て分かったのはそれは子供たちの姿。
よく出てくる女の子は髪が短くて元気な感じ。
項当たりにあるほくろが特徴の子で、主にその子が色んな所に行くのを見た。
そこには人が出てきて、
可愛らしい男の子と公園で遊んでいる微笑ましい場面もあれば
何歳も年上のちょっとケバいお姉さんに殴られていたり
しかもこの子には親がいないのか親は愚か大人すらも出てこない。
なんなんだろう、これ。
その女の子を見ていると流れ込んでくる気持ち。
[つらいよ、さびしいよ、こわいよぉ]
[__くんとはやくけっこんしたい]
[じゆうになりたい]
[おとーさん、おかーさん、どこにいるの?]
[わたしをたすけて____]
まるで自分が体験したかの様に移ってくる気持ちに涙する事もあった。
この子は誰なの?
_
お風呂を出て談話室に行った。
まだ5:30過ぎ。誰もいない。
でもキッチンには誰かがいる様でカタッと物音が聞こえた。
_
物陰からチラリと除けば我らがお母さん、臣さんがいた。
「臣さん、おはようございます。」
「ん?ああ、A。おはよう。」
「こんな時間から仕込みですか?」
「ああ」
凄いな、臣さん。
ちょっと臣さんとお話して私は談話室に戻った。
_
「あら?左京さん?」
「ん?」
「おはようございます」
「おはよう」
寝起きだからかヤクザの格好してるのにふわりと笑う左京さんにトゥンクした。
本当にかっこいいな、左京さんは。
「珍しいな、いつもは会わないのにお前に会うなんて。」
「そうですね、最近左京さんに会えなかったので寂しくて・・・。」
「そういう事はもっと違う奴に言え。」
左京さんが顎をくいっと動かす。
その先にはこちらを恨めしそう〜〜〜に見つめた至さんがいた。
「ヒッ!!?」
「じゃあ、俺は行く。監督さんに今日も遅いと伝えてくれ。」
「いってらっしゃいです」
なんか夫婦みたい。うひひ。
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まきのん♪(プロフ) - 続編作ってください!お願いします! (2018年2月12日 0時) (レス) id: dd4c972d72 (このIDを非表示/違反報告)
姫桜(プロフ) - この作品とても大好きなので続編お願いします!! (2018年2月11日 20時) (レス) id: 7d352ba43a (このIDを非表示/違反報告)
菜雪(プロフ) - 続編を作って頂けるのならば、作って欲しいです! (2018年2月11日 18時) (レス) id: ca84b4ff55 (このIDを非表示/違反報告)
零 - いつも更新される度に読ませてもらってます! 是非続編の方をお願いします! (2018年2月6日 12時) (レス) id: 8419ddaaac (このIDを非表示/違反報告)
らぐらす(プロフ) - 夏月さん» ありがとうございます!チーターになれるように頑張りますね! (2017年12月19日 23時) (レス) id: 1e5c024882 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らぐらす | 作成日時:2017年11月2日 1時