25話 ページ28
「ただいま帰りましたー」
「!」
Aが帰ってきた!やばい、直ぐに片付けなければ!バレたら転される!
ノートを棚にしまい、鍵を掛けたは良いものの、箱根細工の蓋が閉められない・・・!
複雑な構造のこの箱は閉めるのにも苦労するようだ。
くそ!やばいぞ、Aの部屋は入口から近い。
どうする?どうする??
「あ、いづみさん、大切なお話があるのでいづみさんの部屋に行ってもいいですか?」
よかった、これなら来るのは遅くなるか・・・。
扉越しに聞こえる声に安堵し、ホッと息をついた時だった。
「荷物を1回部屋に置いてからそちらに向かいますので・・・。」
なん・・・だと!!?
困った。やばいぞ。
もういいや、言い訳を考えよう。
「いいよ、私の部屋に荷物置きなよ。それなりに綺麗にしてる方だから置いても構わないし。」
「えっ・・・でも・・・。」
「いいのいいの。たまには甘えることも大切だよ?」
「っ・・・じゃあ、お言葉に甘えて・・・」
監督さんないす!
Aの足音が遠のいていくのを確認して、さっき開けたのと逆の順番に、慎重に閉めてゆく。
「・・・・・・!しゃ!」
箱は元の通りに戻った。
俺は机の上にそれを戻すと、廊下に誰の気配も無いことを確認してAの部屋を出た。
ただ、好奇心で入っただけなのにすごい目にあったな・・・。
「はぁ・・・ゲームしよ。万里にストレス発散しよう。」
そう言った俺は部屋に戻った。
_
「て、事で、ここの手伝いもしてくれる様なので、彼・・・白石純くんをここでお世話するのは駄目ですか・・・?大切な可愛い後輩なんです!彼なら迷惑だってかけません!だから、だから__」
帰った後、いづみさんに交渉を図った。
いづみさんには今日あったことも含め、全て話した。
いづみさんは黙って私の話を聞いていた。
「_Aちゃん。」
「っ!はい!」
「そんなに固くならなくても大丈夫だよ。」
「っえ?」
頭を優しく撫でられた。
「彼の事はよく分からないけど、自分のせいだと考えるのもどうかな?」
「・・・?」
「Aちゃんは自分が頼りない先輩だから彼は自分を頼らなくてずっと困っていた、って思ったんでしょ?」
・・・思えば、そうだったかも知れない・・・。
364人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まきのん♪(プロフ) - 続編作ってください!お願いします! (2018年2月12日 0時) (レス) id: dd4c972d72 (このIDを非表示/違反報告)
姫桜(プロフ) - この作品とても大好きなので続編お願いします!! (2018年2月11日 20時) (レス) id: 7d352ba43a (このIDを非表示/違反報告)
菜雪(プロフ) - 続編を作って頂けるのならば、作って欲しいです! (2018年2月11日 18時) (レス) id: ca84b4ff55 (このIDを非表示/違反報告)
零 - いつも更新される度に読ませてもらってます! 是非続編の方をお願いします! (2018年2月6日 12時) (レス) id: 8419ddaaac (このIDを非表示/違反報告)
らぐらす(プロフ) - 夏月さん» ありがとうございます!チーターになれるように頑張りますね! (2017年12月19日 23時) (レス) id: 1e5c024882 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:らぐらす | 作成日時:2017年11月2日 1時