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あの日
侯くんは真っ赤な目で
それでいて無表情で
帰ってきた
まるでこの部屋に私なんかいないかのように
1度も目を合わすどころか
1度も私を見ることもなく
淡々と
そう淡々と
あの日の荷物を片付けて
次の日の荷物を準備して
シャワーに向かった
何も分からないまま
声をかけることさえできずにいた
何かしでかしたんじゃないかと
もう嫌われてしまったのかと
シャワーから侯くんが出てくるのを待った
すごく長くて短い時間が過ぎて
シャワーから出てきた侯くんは
いつもと違って
スエットの下しか履いてなくて
髪も濡れたままで
やっぱり私に視線をくれることもなく
「帰ってくれへんかな」
何の感情も持たない冷たい声で
そう静かに言って
そのまま
寝室に入って行った
終電も終わった夜の街を
わけもわからないまま
このまま終わりなのかな
芸能人との恋ってこんなのかな
って泣きながら
歩いた
家についた時には
冬の空は
それでももう明るくなってて
涙が止まらないまま
シャワーを浴びる
気持ち入れ替えないと
今日も普通に仕事だ
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作者名：UTA
| 作成日時：2018年8月21日 5時
