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渋谷さんの会見を間近に控えたあの朝
ベッドルームから出てきた章ちゃんは怖いくらい顔色が悪かった
再発…そんな言葉が頭をよぎった瞬間
体のどこを庇うのでもなく
崩れるようにでもなく
まるでマネキンのように
一気に倒れた
私は慌てて駆け寄って
何度も何度も章ちゃんの名前を呼んだけど
瞼の端っこすらピクリとも動かなかった
怖い
助けて
怖い
救急車！
もしかしてダメ？
震える手で
スマホをタップすると
少し間延びした優しい声がした
「助けて、大倉さん!｣
「章ちゃんが、章ちゃんが」
その後すぐお医者さんと一緒に大倉さんが駆けつけてくれた
大倉さんが呼んでくれた章ちゃんの仲間たちも来てくれて
意識のない章ちゃんを病院に連れて行ってくれた
部屋に残された私は
スマホを握りしめたまま
大倉さんからの連絡を待って
ただひとりで震えていた
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作者名：UTA
| 作成日時：2018年8月8日 6時
