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｢レコードAちゃんおすすめのこれにする｣
俺がそう言うたらAちゃんが今度はいつもみたくふんわり笑って
雨戸を閉め始めた
不思議に思って見てた俺に
｢音漏れ防止｣
そう言うてからレコードをセットしてくれる
ソファーに戻って
Aちゃんはまたラグの上
手を引っ張って俺の横に座らせる
｢さびしいやん｣
そう言うたらちらりと俺の事見るから
その真っ赤な耳にチュッってした
さらに赤くなって俯いたAちゃんの手を恋人繋ぎして
レコードを聞く
マジで俺の好きなやつ
テンション上がった俺を見て
Aちゃんが笑ってた
Aちゃんのお勧めと
俺がジャケ買いならぬジャケ惚れしたんと
何枚か続けて聞いた
最後の曲が終わって
トーンアームが戻る音がする
最後のLPの途中から
病み上がりのAちゃんは
俺の肩に凭れて夢の中
足がつりそうになりながら引き寄せた
昨日2階から持っておりてきてた毛布をかけてあげてたけど寒なかったかな
とても楽そうに規則正しい寝息やし大丈夫かな
チュッとAちゃんのおでこにちゅーして
俺の頭をAちゃんの頭に凭れてかけさせる
俺の右側に伝わる
Aちゃんのあたたかさと重さ
冷蔵庫のモーター音と壁掛け時計の音
それにAちゃんの寝息
静かで
穏やかで
幸せな時間
この時間を
Aちゃんを
大事にしようと改めて思った
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作者名：UTA
| 作成日時：2018年12月10日 7時
