耳元で歌わせて (赤) 3 (ページ6)

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｢そんなええもんちゃうよ｣

｢ただもてへんかっただけやもん｣

言葉は拗ねてるけど

耳まで赤いし

口元緩んでるし

ほんま可愛いすぎる

｢ほんま神様が俺んためにAちゃんの周りにバリア張ってくれてたんやわ｣

そう言うたら

｢すばるくんてあほなん？｣

ってふんわり笑て言うてくれた

抱きしめてた腕を緩めて

Aちゃんの両手をとって

向かい合って座る

｢なぁAちゃん？｣

｢めんどくさいなんて思わへんから｣

｢やから思た事なんでも言うて｣

｢分からへん事｣

｢嫌な事も｣

｢して欲しい事も｣

もうあんなふうにすれ違うんだけは嫌やから

言葉にしてはっきりと伝える

｢俺はAちゃんが好きで｣

｢付き合えてほんま嬉しいし｣

｢これからもずっと一緒におれたらええなって思ってるから｣

｢やから｣

｢がまんしたりはせんといてな｣

そう言うてまた触れるだけのキスをした

｢一緒に寝よ？｣

俺が言うたら

真っ赤な顔のまんま頷いてくれた

枕の位置が俺んちとは反対やから今日は俺が壁寄り

眠りにつくまでずっと話してたいやん

やからAちゃんと向き合うた時に左の耳が上になるように

そう思たのに

熱が出た後の気だるさなんか

俺の腕ん中に収まったAちゃんは

今にも寝てまいそうで

何聞いても返事ワンテンポ遅れるし

話すんもすんごいゆっくりやし

｢もう寝よか？｣

｢･･･うん･･･｣

｢･･･すば･･･くん･･･｣

｢･･･うと･･････て･･･？｣

そう言うて俺の胸に顔を寄せてきたAちゃん

今日もかわいいわがままきいて

Aちゃんが眠るまで

耳元で歌う