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そんなんええって言うのに
そういうわけにはいかへん
って言い張るAちゃんに負けて
テレビとかでも取り上げられたりする店で
手土産買うて
コンビニでコーヒーと昼飯のパン買うて
やっと出発
俺の家から実家まで車で40分ほど
平日の昼間やし
渋滞することもなく着いた
俺ん家の駐車スペースに車停める
マンションの5階
俺が一人暮らし始めてから引越したから
実家感は少ないけど
それでも帰ってくると
なんかほっとするから
そこに住んでるってだけで
家族ってすげぇ存在やなと思う
後部座席から手土産の紙袋取って
緊張した顔で車の横に立ってるAちゃんと手を繋ぐ
｢行こ｣
にっこり笑って歩き始める
Aちゃんは右手を胸にあてて
深呼吸繰り返しながらついてくる
｢そんな緊張せんかって大丈夫やで｣
できるだけ優しく言うと
カクカク頷いてる
エレベーター乗って行き先ボタン押して
表示が4なった時に
表示を凝視してたAちゃんに
チュッと短くキスをする
離れたと同時にドアが開いて
Aちゃんの手をひいて降りる
Aちゃんは前を歩く俺の背中を
バシバシ叩きながらついてくる
｢みんなしてるで｣
って笑て言うた俺に
｢うそ｣
｢分かるもん。それくらい｣
そう言うて真っ赤か
｢バレたか｣
そう言うて
廊下に誰もおらへんのを確認して
もっかいチュッってする
｢すばるくんのアホ｣
言うて真っ赤になってるAちゃんに向かって
にひゃりと笑いながら
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作者名：UTA
| 作成日時：2018年12月10日 7時
