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頭下げたまんまAちゃんの言葉を待つ
しばらくしても何も言うてくれへんから
もう呆れられたんかなと恐る恐る顔をあげたら
Aちゃんはぽろぽろぽろぽろ涙零してた
｢俺ん事彼氏にしてくれる？｣
ってもう一回聞いたら
口に手ぇ当ててカクカク頷くから
その手を掴んで手を繋いだ
そしてゆっくり
Aちゃんの唇に俺の唇を重ねた
そっと唇離してAちゃんを抱きしめる
思てたよりずっと華奢で小さな体を
壊さへんようにそっと抱きしめる
風呂ん中で抑え込むように抱きしめてたんとは違う
大事なもんを守るように
そっと抱きしめる
あったかい体…
…あったかい…？
いや！ちゃう！
Aちゃん熱あるやん！
｢Aちゃん熱あるで｣
｢しんどない？｣
そう聞く俺に
｢大丈夫やよ｣
｢でも明日も仕事やしすばるくんも寝んとあかんね｣
｢私洗濯干してくるね｣
ってふんわり笑って
｢申し訳ないけどこの毛布と座椅子借りても良い？｣
って聞くから
｢一緒にベッドで寝たらええやん｣
｢俺ら付き合ってるんやから｣
って言うたら熱のせいでピンク色やったほっぺが
真っ赤に何なら耳まで真っ赤になった
目ぇ泳がせてあわあわしてるんが可愛くて
電気消して
Aちゃんの手を引っ張って
ベッドに入る
カチカチに緊張してるAちゃんを
とりあえず落ちへんように壁際に押しやって
枕1個しか無いし
いっつも抱いて寝てる抱き枕を横向きにして寝転ぶ
まだ壁際に座り込んでるAちゃんを
｢よいしょ｣ってわざと声出して引っ張って
俺の胸に抱き留める
カチカチの体を解すように
ゆっくりゆっくり背中をとんとんする
昔まだちっこい子供やった頃
おかんが寝かしつけにしてくれたように
とんととん
とんととん
優しく優しくリズムをとって
熱もあるし時間も時間やからか
こわばってたAちゃんの体から力が抜けて
スースーと寝息が聞こえるまでにそう時間はかからへんかった
俺の腕の中で寝てるAちゃんのおでこに口づけて
俺もまぶたを閉じた
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UTA(プロフ) - 目に見える障がいと見えない障がい。どちらがツラいとかは他人が決める事では無いですよね。ただ過剰反応せずストンと受け止めてちょっとだけ心配り出来る人でありたいと思います。 (2018年12月9日 7時) (
レス) id: 916009774d (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - UTAさん» 私は幼い頃に失聴したので、両方聞こえる感覚がわかりません。それと同じように、片耳難聴を理解してもらうことは難しいと思います。でもとりあえず、片耳難聴のことを、もっと多くの方に知ってもらいたいなと思います。書いていただいてありがとうございます。 (2018年12月8日 5時) (レス) id: 888490902b (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - UTAさん» 片耳難聴を理由に実習の受け入れを拒否されたり、友達と無視したしてないのトラブルになったり。障害者として認められている訳ではなく支援も受けられないから、健聴者に紛れて、健聴者のフリをして生活するのはなかなかに大変です。 (2018年12月8日 5時) (レス) id: 888490902b (このIDを非表示/違反報告)
UTA(プロフ) - りんごさん» ありがとうございます。程度の重い軽いはあっても、また同じ症状であっても障がいのある方の受け止め方は千差万別なので書く事に躊躇いが無かったわけではありません。ただタブー扱いする事だけは違うという私の信念があるので…読み続けていただいて本当に嬉しいです。 (2018年12月2日 14時) (レス) id: 916009774d (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - やっぱり片耳が聞こえないという設定だったんですね。私も主人公と同じで右耳が聞こえません。読んでいて、座る位置とか助手席での振る舞いとか、既視感があって気になっていました。そしてやたらと感情移入してしまって、胸が苦しくなりながらも更新が楽しみでした。 (2018年12月2日 2時) (レス) id: 888490902b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：UTA
| 作成日時：2018年11月20日 5時
