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02-2 ページ5

A「あれ、」


少しだけ開いた隙間からドアの向こうを覗く。
…やっぱ見えない、よね。


A「…はぁ、、」

まふ「…A、」


どうしようかとため息をついた時、本当に本当にか細い声が足元から聞こえてきた。ああ、きっとこの声は、、泣いてる。


まふ「ごめんね、、本当にごめんね。」

A「まふくん、開けてもいい?」

まふ「あっ、ごめんね…」


彼がいることでドアが開かないと分かったらしく、フローリングの上を移動する音が聞こえた。
ドアをもう少しだけ開けて出てみると、膝を抱え込んで座る彼の姿。目線は私の足元に向けられている。普段は背が高いのに、こうしているととても小さく見えて、なんだか、愛しい。


A「まふくん、」


彼に合わせてしゃがんでみると、一瞬だけ目を合わせて逸らされる。その目は少し赤くて、やっぱり泣いてたんだなあって。


まふ「……僕じゃ、だめなの…?」

A「………」

まふ「Aは、もう僕のこと嫌い?」


嫌いじゃない。そう、嫌いじゃないんだ。床を見つめる彼の頭を、撫でたくなる衝動を抑える。その明るい髪からは想像できないくらい繊細な彼の心を今、私は傷つけてしまっているんだろう。


まふ「…A?」


顔を上げて私の目を見た彼は、悲痛の表情を浮かべている。あなたが悲しむ姿は見たくないのに。


A「泣かないで、」

まふ「ごめん…っ」


彼の性格は楽天的でなくて、塞ぎ込んだり悩んだりすることが少なくない。だけど、その姿を私に見せようとはしない。付き合う前は相談も乗っていたし話も聞いていたのに、恋人になってからぱったり。様子が変な時は声をかけて見るけど「なにもない、大丈夫」の一点張りで部屋にこもってしまう。ついには、心配で部屋に入って話しかけたら「Aには関係ない、しばらく入ってこないで」とまで言われてしまった。これは、拒絶だと思う。

彼の活動が忙しくなって、2人で出かけることも減ったし、彼とご飯を食べることも減った。だけど、作っておくと顔を合わせた時に「美味しかったよ、ありがとう」って頭を撫でてくれるのがとても嬉しかったし、モチベーションだったと思う。最近はそんなことも減って、彼の背中ばかり見ている気がするのだ。

02-3→←02-1 * まふまふさん



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作品ジャンル:恋愛
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いちご丸 - キヨさんの続きは!? (9月23日 0時) (レス) @page23 id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
りーな(プロフ) - 文才凄いですね!?天才ですか!?坂田さんので泣きました(ガチです 更新頑張ってください!! (2022年11月14日 8時) (レス) @page23 id: 58a7f79ac7 (このIDを非表示/違反報告)
汐乃(プロフ) - キヨさんのだけでも投稿して貰えないですかね…?めちゃくちゃ続き気になってます…! (2021年7月17日 21時) (レス) id: d40f4a1ac2 (このIDを非表示/違反報告)
田舎女子 - キヨさんの続きめっちゃ気になります!!よければ、更新してほしいです! (2021年6月5日 16時) (レス) id: 67e9a9c4e5 (このIDを非表示/違反報告)
瑞姫(プロフ) - キヨの話の続きがとても気になります!更新はもうされないのですか?(T_T) (2020年11月12日 7時) (レス) id: ec711c6353 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:のの | 作成日時:2018年5月31日 18時

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