07-2 ページ22
薄く開かれた眠そうな目はしっかりと私を捉えているようで。
キヨ「A、だ、、」
その瞳に吸い込まれてしまったかのように動けずにいると、頭にほんのりと温もりが伝わってくる。
その温もりは私の頭を撫でる彼の手から伝わってくるものだと気付いて、忘れかけていた好きが戻ってくる気がした。
よくない、流される。
そう思った時にはもう遅くて、ベッド脇に屈んだ私の首元に彼の腕が巻かれて、もっと近くなった温もり。
A「起きて、」
キヨ「…もう少し、、」
A「今日はね、別れ話をしに来たの。」
耳元から聞こえるいつにも増して甘い声は、きっと眠いせい。
これを受けいれて作り笑顔を返してしまえば、自分の性格上、今日も何も変えられずに終わってしまうと確信して、本題を切り出した。
大きすぎる気がする心臓の音は、私のものだけではないはず。
キヨ「…は、？」
返ってきたその1文字は想定以上に低く冷たく感じて。
タイミングが悪かったのか、私から切り出したのが悪かったのか、少なからず嫌悪を示していると思う。
A「そういうことだから、起きてきて。」
彼の顔を見ることなく、リビングへ向かおうと一言口にして立ち上がる。
あとはもう、起きてきた彼と話をしてしまえば終わりだ。
キヨ「意味わかんねえんだけど、」
彼に背を向けて一歩踏み出し、更にもう一歩踏み出したとき、私の動きは止まった。
彼の声と同時に引かれた腕に少しよろけながら、頭の中を整理する。
キヨ「別れ話ってなに。」
A「…そのまま、だけど。」
キヨ「何勝手に決めてんだよ。」
勝手に、、、たしかに私が今切り出したけれど、これまでの雰囲気や会えなかった日数、そもそも会うきっかけさえ作ろうとしなかった彼の態度から見て、私たちには恋人なんて呼べないに近いと思う。
A「勝手も何も、キヨさんはもう好きじゃないでしょ、」
自分で言って悲しくなる、ってこういうことを言うのか、なんて案外頭の中は冷静で。
キヨ「誰がんなこと言ったわけ？」
A「誰とか、そんなんじゃなくて、」
キヨ「じゃあなんだよ、」
彼の声が強くなっていくのがわかる。
ああたぶん、これは怒ってるってことなんだろうな。
彼が怒っている姿を見るのは少し、いやかなり苦手。
しかも、その矛先が自分なんて今までで初めてかもしれない。
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いちご丸 - キヨさんの続きは！？ (9月23日 0時) (
レス) @page23 id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
りーな(プロフ) - 文才凄いですね！？天才ですか！？坂田さんので泣きました(ガチです 更新頑張ってください！！ (2022年11月14日 8時) (レス) @page23 id: 58a7f79ac7 (このIDを非表示/違反報告)
汐乃(プロフ) - キヨさんのだけでも投稿して貰えないですかね…？めちゃくちゃ続き気になってます…！ (2021年7月17日 21時) (レス) id: d40f4a1ac2 (このIDを非表示/違反報告)
田舎女子 - キヨさんの続きめっちゃ気になります！！よければ、更新してほしいです！ (2021年6月5日 16時) (レス) id: 67e9a9c4e5 (このIDを非表示/違反報告)
瑞姫(プロフ) - キヨの話の続きがとても気になります！更新はもうされないのですか？(T_T) (2020年11月12日 7時) (レス) id: ec711c6353 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のの | 作成日時：2018年5月31日 18時
