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A「…しまくんはさ、私のこと好きなの?」
志麻「そんなん、決まってるやろ。」
リビングのテーブル越しに座ったのはいいものの、目の前からぶつけられる視線が痛い。
いつもの喧嘩するときのめんどくさそうなものとは違って、彼の目は真剣だ。
A「じゃあなんでっ、」
志麻「考えてた。Aが出てってもうて、どうしたらいいかわからんくて、素直に帰ってきてとかも言えんし、そしたら別れよう言われて頭真っ白になった。」
私の言葉を遮って紡がれる言葉。
下に向いた彼の目線は、鈍感な私にも分かりやすいくらい弱気を示している。
志麻「いつも喧嘩してもAが折れてくれとったから、自分から仲直りする方法もタイミングも分からんし、何より、拒絶されるんが怖かった。」
そうだった。
この人は強そうに見えて、意外と慎重で脆い人。
本人もそれを自覚していて、彼なりに努力している姿を近くで見てきたはずなのに。
いつも喧嘩した後だって、私が折れてたとは言え、しばらくして彼なりの謝罪を見せてくれてた。
志麻「返事せんかったんも、あん時追いかけんかったんも、ごめん。俺は、別れたくない、、です。」
きっと初めて見る、彼の弱々しい姿に涙腺が緩む。
いつだって強くいようとする彼が素直にぶつけてくれた感情は、心の奥底にあった不安とか悲しみを消してくれる気がした。
A「…しまくん、」
志麻「ん?……ってなに泣いてんねん。」
A「へへ、しまくんだって。」
久しぶりに合った目線はお互い少し赤くて、潤んでて。
涙もろいのは少ない2人の共通点。
志麻「もう別れようなんて言わせへんように頑張るから、もう一回だけチャンスくれへん?」
A「しゃーなしやで?」
少しだけ2人で笑って、また真面目な顔をした彼からの問い。
それに私のわがままを聞いてくれる時の彼のお決まりの言葉で返す。
志麻「っ、アホ」
A「しまくん、ただいま。」
志麻「A、おかえり。」
ーーーーー
志麻「てか出てっとる間どこおったん。」
A「え?実家だけど、、」
志麻「ほんまに?」
A「うん…?」
志麻「ならよかった…」
A「どこだと思ってたの?」
志麻「全然帰ってこーへんから、別の男でもいるんかと、、」
A「しまくん私のことめっちゃ好きだね?」
志麻「いや、」
A「好きだね?」
志麻「うるせえバカ」
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いちご丸 - キヨさんの続きは!? (9月23日 0時) (レス) @page23 id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
りーな(プロフ) - 文才凄いですね!?天才ですか!?坂田さんので泣きました(ガチです 更新頑張ってください!! (2022年11月14日 8時) (レス) @page23 id: 58a7f79ac7 (このIDを非表示/違反報告)
汐乃(プロフ) - キヨさんのだけでも投稿して貰えないですかね…?めちゃくちゃ続き気になってます…! (2021年7月17日 21時) (レス) id: d40f4a1ac2 (このIDを非表示/違反報告)
田舎女子 - キヨさんの続きめっちゃ気になります!!よければ、更新してほしいです! (2021年6月5日 16時) (レス) id: 67e9a9c4e5 (このIDを非表示/違反報告)
瑞姫(プロフ) - キヨの話の続きがとても気になります!更新はもうされないのですか?(T_T) (2020年11月12日 7時) (レス) id: ec711c6353 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のの | 作成日時:2018年5月31日 18時