04-2 ページ11
センラ「あーー、Aや〜〜〜」
黙ったままの私を思い切り抱きしめると、頭をわしゃわしゃ撫でながらそう呟く彼。
苦しい、、、けど、心地よい体温に、彼から言われて自覚した涙がより流れ出す。
A「っ、」
センラ「なんか会うの久々やなあ、、この間の埋め合わせもできてへんし、次の休みはAが行きたいとこでも行こか。」
彼の温もりに、つい流されそうになる。大好きで大好きでどうしようもなくて、ここに居ることができるだけで幸せで。だけど、このままじゃ何も変わらない。
センラ「なあ、どこがええ?」
A「…っ、あのッ」
彼が私の顔を覗き込もうとして、少しだけできた隙間。今だと言わんばかりに目の前の胸を押して、彼との距離を作る。
A「別れて、ください。」
センラ「……」
A「ごめんなさい…」
静かにソファーに座った彼は、黙ったまま床を見つめている。いつだって冷静な彼は、きっと今も状況を整理しているんだと思う。あなたは悪くない、だから余計なことは考えなくていいよ。
センラ「Aは、それでええの?」
A「っ、」
センラ「それでAは幸せになるん?」
沈黙を破ったのは彼で、問われた質問は私を困惑させるには十分だった。わかってる、ここで頷けば彼はきっと納得してくれるはず。そう分かっていても身体は正直で、言うことを聞いてくれない。
センラ「やっぱ答えんでええわ。嫌や、Aがそれで幸せになるゆうても俺は離さへん。」
A「…でも、」
センラ「こっち来て。」
手を振りながらソファーの自分の隣を優しく叩く。
そこに導かれるように体が動いて、座ると大好きな匂いに包まれた。
センラ「いつも寂しい思いさせてごめんな、、Aが悩んでるのも気づけへんくて、ほんま情けないわ…」
A「それは、違う…っ、」
やはり根が真面目な彼は、彼自身を責めるのが得意なようで、私のせいでこんな風にさせているのかと思うと、自分への怒りがこみ上げてくる。
違う、あなたは悪くない。
A「違うよ、私はセンラさんに救われてばっかりだもん。」
センラ「……」
A「会えなくても、センラさんが大切にしてくれてるのは感じてるし、私は本当に幸せだよ。」
センラ「…A、」
A「だから、自分を責めないで。」
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いちご丸 - キヨさんの続きは!? (9月23日 0時) (レス) @page23 id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
りーな(プロフ) - 文才凄いですね!?天才ですか!?坂田さんので泣きました(ガチです 更新頑張ってください!! (2022年11月14日 8時) (レス) @page23 id: 58a7f79ac7 (このIDを非表示/違反報告)
汐乃(プロフ) - キヨさんのだけでも投稿して貰えないですかね…?めちゃくちゃ続き気になってます…! (2021年7月17日 21時) (レス) id: d40f4a1ac2 (このIDを非表示/違反報告)
田舎女子 - キヨさんの続きめっちゃ気になります!!よければ、更新してほしいです! (2021年6月5日 16時) (レス) id: 67e9a9c4e5 (このIDを非表示/違反報告)
瑞姫(プロフ) - キヨの話の続きがとても気になります!更新はもうされないのですか?(T_T) (2020年11月12日 7時) (レス) id: ec711c6353 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のの | 作成日時:2018年5月31日 18時