予定外の証人turn8 ページ31
三澄「この実験結果からも分かるように、ご遺体の刺し傷は、右利き用の包丁でつけられたものです。今、凶器とされている包丁は左利き用なので、傷と矛盾します」
亀岡「矛盾するということは？」
三澄「凶器ではないということです」
三澄がスクリーンの前に立ち、傷口と凶器の違いを説明していく。
烏田「法医学の権威である草野教授は、左利き用の包丁であっても、そのような傷がつく、と仰っています」
三澄「その鑑定の事例を見せてください」
『…ありえないな。そんなもの、見た事がない』
ボソリと呟く。久部は聞こえたのか、1度こっちを見たが、再び証人台へと視線を戻す。
１万５千体の遺体を見てきたとして、それを全部完璧に覚えているかどうかは別だ。
経験を付けてスキルが上がるのは分かる。だが、経験が知識になることはない。
烏田「前回、あなたは検察側の証人として法廷に出廷し、その時｢凶器は この包丁に間違いない｣と、証言したんですよ」
三澄「矛盾しないと言ったんです」
烏田「どうして意見を変えたのでしょう？」
雰囲気が変わる烏田。危ない。検察側は人の心を操りのが何より上手い。裁判が初めての三澄など、踊らされて終わるだけだ。
烏田「証言するにあたって必要な証拠確認を怠った。そういうことですよね？」
三澄「それは…3DCGがあると知らなかったので」
烏田「何故知らなかったんですか？」
三澄が少しずつ怒りを顕にしていく。
三澄「烏田さんが教えてくれなかったんじゃないですか、「余計なことはするな」って」
烏田「人のせいですか。責任転換は女性の特徴です」
そうなるだろうな。正にいいカモだ。完全に踊らされている。止めようにも傍聴人は勝手に裁判に参加することは許されない。黙って見るしかないな。
烏田「自分の確認不足を棚に上げて全て人のせいにして相手を感情的に責める。相手が彼氏なら構いませんが、ここは法廷です」
亀岡「異議あり！証人に対する侮辱です」
裁判官「意義を認めます」
烏田「失礼しました。
いやしかし、証言の度に意見をコロコロ変えられては裁判員の皆さんも混乱します。
未熟な女性研究者の口車に乗せられてしまった。神聖な司法の場が女性の気まぐれで振り回されるとは由々しき事態です」
あること無いことをひたすら話していく烏田。一言で言うなら、クソだ。
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Kiyo(プロフ) - meikyoshishuiさん» 失礼しました！（汗）直しておきます！！ (2018年3月16日 17時) (
レス) id: 528cdb9976 (このIDを非表示/違反報告)
meikyoshishui(プロフ) - ミコトの母親の名前間違われてますよー…正しくは『夏代』さんです!! (2018年3月15日 23時) (レス) id: 3b38de3163 (このIDを非表示/違反報告)
Kiyo(プロフ) - 梨さん» ありがとうございます！亀更新ですが、お願いします！！ (2018年3月15日 21時) (レス) id: 528cdb9976 (このIDを非表示/違反報告)
Kiyo(プロフ) - はびさん» BL要素ですか…！少しなら出来たらやってみます！！ (2018年3月15日 21時) (レス) id: 528cdb9976 (このIDを非表示/違反報告)
梨 - 雰囲気のいい小説ですね。応援させていただきます。 (2018年3月14日 2時) (レス) id: 366a3518b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Kiyo x他1人 | 作成日時：2018年3月3日 19時
