第2話「初めての稽古」 ページ2
結局、集まった部員は6人で、オーディションは全員が受かった。
皆嬉しそうに、顧問の話を聞いている。彼はウィル・シュースターという先生らしい。
私の席の隣には、茶髪で青い瞳の青年が座っていた。
「…?」
まじまじと見つめすぎていたのか、彼は不思議そうに私の顔を見た。
私は思わず目を逸らす。
横目で見ると、その奥には長髪で黒人の女の子が座っていた。
また、見つめすぎていたようだ。
次は彼だけでなく、奥の女の子も此方を向いた。
二人は私を見てクスクスと笑い、私の顔は真っ赤に染まった。
一回目の稽古が始まった。
シュー先生に指示された通り、全員が動きを把握していく中、私はまだ緊張感で押し潰されそうだった。
「はぁ…。駄目だぁぁあ……。」
私は頭を抱えて溜め息をついた。
「どうしたの?名前…Aだったっけ?」
ふと顔を上げると、リードボーカルの女の子が優しく微笑んでいた。
「うっん…。A、よろしく…。」
私は気乗りがしなく、少し暗めに言った。
「悩みがあるなら相談に乗るわよ?」
「いや、大丈夫。ただ…貴方みたいに上手く歌えないし、踊れないしで。」
私と彼女が話していると、次第に他の皆も集まってきた。
「レイチェルよ。まぁ、私みたいにはじめから才能がある人は少ないと思うから…普通の人なら、そうはいかないものよ。」
レイチェルの自慢気な発言に、私は苦笑いをした。
「けど、練習を積み重ねればきっと上手くいくはず。何かに秀でるっていい事よ。」
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暗黒の波動(プロフ) - 朝比奈さん» 返信遅れて申し訳ないです。 とても嬉しいコメントありがとうございます!!時間がある時に更新していきたいと思いますので、気長に待っていただけると有りがたいです^^ (2018年4月3日 22時) (レス) id: 229c8db531 (このIDを非表示/違反報告)
朝比奈(プロフ) - 読ませていただきました!続きが気になります…! (2018年3月29日 5時) (レス) id: 8eec1a6356 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 更新お願いします! (2016年9月3日 13時) (レス) id: 1f3a169325 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:暗黒の波動 | 作成日時:2016年5月5日 21時