飛べない天使【シャンクス】 (ページ9)

今日:4 hit、昨日:18 hit、合計:23,668 hit

神避ページ9

海兵「それなら大人しくしとけー！！！」

私を見る海兵達の視線は、まるで醜い鬼を見るような、怪訝な眼差しだった。

『ロジャー、船ちょ…ごめんなさい…』

私は涙を流してロジャー船長を見た。ロジャー船長は、下を向いて黙りこくっていた。

大佐「来い小娘！お前なんかに自由は必要ない！」

海軍大佐に背中を押されて連れて行かれる。オーロジャクソン号から遠ざかって行く感覚が、嫌でも

感じられた。

大佐「こちら海軍１２支部、ただいま天竜人の_____っ！？！！」

突然、大佐の持っていた電電虫が斬撃と思われる攻撃によって弾き飛ばされ、切り刻まれた！！

後ろから微かに伝わる冷気と殺気。私は静かに後ろを振り向くと…ロジャー船長が、強烈な覇王色を

身に纏って、怒り狂っていた。

ロ「俺の船員(クルー)に何してんだ…世界政府はよォ…」

大佐「なに？」

ロ「うちの船員(クルー)を泣かすなよ…まだ子供だろ」

『ロジャー…船長…』

海兵「っあ！！テメッ！！」

気が付いたら、私は勢いよく走り出していた。仲間の元へ…ロジャー船長の元へ！

シ「A！！こっちだ！！」

ロジャー船長の横で、シャンクスが待ち構えていた。オーロジャクソン号に近づくにつれて意識が飛

びそうになる。それでも私は、自由と幸せのために、走り続けた。

そして…

バッ！！！

手を大きく広げるシャンクスに向かって、勢いよくジャンプした。海に落ちる覚悟で。

ドサッ！！！

だが無事にオーロジャクソン号に飛び移り、衝撃をシャンクスが背中で抑えてくれた。

『…シャンクスゥゥゥ……グスッ……うぅ……』

私はシャンクスの胸の中で、泣いた。そんな私をシャンクスは慰めるように背中を撫でてくれる。

シ「もう、大丈夫だ」

突然、背後で剣を鞘から引き抜く音が聞こえる。そっちを見ると、ロジャー船長が剣を持っていた。

そして…

ロ「神避(かむさり)！！！」

覇王色の覇気を纏った剣で、勢いよく軍艦に向かって攻撃を与えた。

海兵「うわああああああ！！！！！！」

海兵２「ぎゃああああああ！！！！！！！」

その斬撃は、軍艦をあっという間に沈めてしまった。それと同時に怒りが消えるたかのようにいつも

のロジャー船長に戻った。

シ「凄いだろ？ロジャー船長」

『う、、、うん』

凄い。これが、ロジャー海賊団。

ニカッと笑って私の頭を撫でるロジャー船長に、私はいつの間にか憧れていた。