【歌い手】ひ と り ぼ っ ち 解 消 法 。2【シェアハウス】

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マンガとテレビの知識でナンパ男を撃退した後、Souくんに手当をしてもらうことに。

S「ちょっと…手、借りてもいい？」

…と、言うわけで手をそのままSouくんの前に差し出す。

躊躇いがちにその手を持って、手当を始めたSouくん。

…手、熱い…な。

緊張してるのかな、手もちょっと震えてるし…。

うわ…こっちまで緊張してきた…。

…何か会話…会話…。

…あ。

貴「あのね…相談があって…」

…あのこと、聞いてみよ。

S「ん？僕でよければ聞くよ？」

…自分のことって言うとあれだし…どうしようかな…。

貴「だ、大学のね、友達なんだけど…！」

S「うん。」

良かった、信じてくれたみたい。

…何から話そうかな…。

貴「ある人に会うとドキドキするんだって、それで、その人のことを考えると苦しくなって、

その人がほかの人と仲良くしてるのを見るとモヤモヤするんだって。

体調悪いのかなってその子悩んでて…」

全部自分の事なのに、こんなスラスラと嘘が出てくる…。

人って便利。

S「うーん…。それってさ、体調云々じゃなくて…

恋…してるんじゃない？」

…恋…してる…。

貴「…そっ…か。そう伝えてみるね！」

恋、か…

私がSouくんに恋…。

…ここまで来たら、認めるしかないよね。

本人に言われちゃったんだもん。

私は…

Sou君のこと…好きなんだ。

S「よし、ちょっと失礼。」

私が1人納得してると、手首が終わったのか、私に向き直った。

貴「え？…わっ！？」

顔と顔の距離が近くなる。

…5cmくらい…。

思わず目を瞑る。

心臓が…うるさい。

顔が熱い。

しばらくすると、ひんやりした…湿布かな…。が、ほっぺたにはられた。

S「できた。」

そんな呟きとその直後にろんちゃんの大きな声。

目を開けると、Souくんが何かを言っていた。

S「××××」

貴「え？今なんて…」

ろんちゃんの声でかき消されて何も聞こえなかった。

だ、大事なことだったらどうしよう…。

ほんとに大事なことだったら大変なので聞き返す。

Souくんは、ほんのり赤い顔をこちらに向けて笑った。

S「…なんでもない！さ、向こうで僕らも遊ぼ！」

貴「…うん！」


…結局、Souくんの呟きは何かわからなかったけど、

その後皆でバレーボールをやった事で忘れてしまっていた。




私が聞いておくべきだったその呟きの事を。




S「(うーん、勇気出したんだけどなぁ…。

ちゃんと伝えたのに…





好きだよって。)」

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