さんじゅういち ページ32
全員で防音室に入って、私はマイクの前に立つ。
みんなは周りのソファーに座って私を見ていた。
ア「じゃあ…最初これ。」
目の前にあったタブレットに曲名が表示される。
曲名は…「ゆるふわ樹海ガール」
ア「歌えるよね?」
貴「はい」
アンさんはにっこり笑って、音を流した。
あー…やばいすごい緊張してる。
震える手を握りしめて、息を吸った。
♪。.:*・゜
貴「…ありがとう…ございました…?」
この挨拶であってるのか不安になりながら頭を下げる。
ア「んー…あがり症?Aちゃん。」
貴「はい。」
ア「えっと、まず基本的に表情が硬い。
それはほんとに治した方がいいと思うよ。
あとは、最初の方は緊張からか高めの音が掠れてくる。
ただ…」
そこまで言うと、アンさんは後ろを向いて、ぽかんとしてる皆に笑いかけた。
ア「ど?みた?これがNoerUの実力だよ。」
いい意味なのか、悪い意味なのか。
それさえも聞けなくて、そのままアンさんの言葉を待つ。
ア「…Aちゃんの歌は、完璧。音の間違いもない、
たまにアレンジとか入ってるし、聞く人を飽きさせない。
…それが、君自身のオリジナルならね。
今の君の歌はまるでコピーだ。
本家に忠実すぎる。アレンジも、誰かのを参考にしたものばかり。
いろんな人の歌を聴いてる人なら、すぐ飽きちゃうかもね。
こうなった理由に、何か心当たりはある?」
棘のようなアンさんの言葉がグサグサと心に刺さる。
私は、そんな血が溢れ出るような痛みを訴える心臓を、
無理やりガーゼで押さえ込んだ。
貴「あがり症な事ぐらいですかね…」
無理やり笑顔を貼り付けて。
多少不自然でも困ってるように見えるだけだろう。
ア「んー…そっか。じゃあ実践あるのみだね!頑張って治そう!」
貴「はい!」
アンさんは最初こそ疑うような目を向けたものの、私が笑顔で首を傾げると、納得したようだ。
そうだ。これでいい。
何も言わずに、隠して仕舞えば。
そしたら、誰も困らずに、悩まずに終わるんだから。
まふくんの複雑な表情が視界に映った。
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恋華(プロフ) - みゅーず(MUSE)さん» いえいえいえ!!全然大丈夫です!ありがとうございます!これからもこんな作品ですが、頑張って行きますので暖かい目で見守って頂ければ幸いです…! (2017年4月2日 15時) (レス) id: 3d94a8f31b (このIDを非表示/違反報告)
みゅーず(MUSE)(プロフ) - 恋華さん» そうだったんですね。wすみません!出しゃばるようなことを言ってしまって… (2017年4月2日 8時) (レス) id: eb4905d3d3 (このIDを非表示/違反報告)
恋華(プロフ) - みゅーず(MUSE)さん» コメントありがとうございます!そうなんですよー!間違えてrにしちゃって…途中で気付いたのでもうrでいーや。と思って!すみません、ご指摘ありがとうございました! (2017年4月2日 6時) (レス) id: 3d94a8f31b (このIDを非表示/違反報告)
みゅーず(MUSE)(プロフ) - 今日この作品を見つけて読んでみたらとても面白く思いました!(日本語変ですね。はい。w) あと、わざとだったらすみません。夢主の歌い手名、のえると読むのならばNoerではなくNoelでは無いでしょうか?ほんとわざとだったらすみません!!! (2017年4月1日 22時) (レス) id: eb4905d3d3 (このIDを非表示/違反報告)
恋華(プロフ) - レオンさん» 天月すんはなんか純情な感じにしたかったんですけど、そしたら女子力高めになっちゃいましたw今後もそんな女子力高めな天月すんの活躍をお楽しみ(?)ください! (2017年3月18日 6時) (レス) id: 3d94a8f31b (このIDを非表示/違反報告)
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