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sideーA
別れ際、鬱くんの右肩が濡れていたのを見てしまった。勿論彼の優しさであるということは理解しているものの、やはり風邪をひいてしまわないか心配になる
言おうか言わないか迷った末、シャワーを浴びた今、LIMEを送ることにした
A鬱くん大丈夫?ちゃんとお風呂入った?
鬱ちゃんと入ったよ、Aちゃんは?身体冷やさんようにね
鬱くんのが濡れてたくせに、こういう時まで私の心配をしてくれる。昔から優しいところは変わんないな
…夏祭りのお誘い、変に思われてないかな
急に不安の波が押し寄せる。元はと言えば自分の提案が原因なのだが、いくら何でも不自然すぎたかも…
でも、今年は鬱くんと2人が良かったから、いつもは鬱くんから誘ってもらってばっかだし、たまには私から声を掛けてみないとね！
自分で自分を元気づけ、再び携帯に意識を戻す
Aありがと!今度はちゃんと傘2つ用意しておくね!
既読はすぐについたけど返信はない、作業の途中だったかな。気長に待とうと携帯から意識を逸らしかけた時、返信がきた
鬱Aちゃんと一緒がいいから、1つでええよ
「はぇ、」
間抜けな声が口をついて出る。別に、こんなのいつもの事で、今更恥ずかしがる理由なんて、
「Aー、ご飯できたわよー」
「はーい！今行くー！」
母の声。携帯を放りリビングへと急ぐ
顔が熱い、夏祭りに誘ったから？鬱くんの優しさを見たから？わからない、わからないけど、すっごくドキドキする
誰に聞けば教えてくれるかな、
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作者名：椿 | 作成日時：2021年5月10日 0時
