【ut】徒然なるままに【完結】 (ページ32)

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sideーut

ut「…え？」

想像もしていなかった言葉に戸惑う他なかった。Aちゃんはやり切ったような、今にも泣き出してしまいそうな表情で

ut「それ、ほんま…？」

「嘘でこんなこと、言わないよ…！ずっと、怖かったの、いつか…いなくなっちゃうんじゃ、ないかって…」

とうとう泣き出してしまったが、漸くAちゃんの本音が、思いが聞けて…頬を伝う雫が差し込んだ夕日に照らされ、とても輝いていた

バッグの中からハンカチを取りだし、彼女に手渡す

ut「『ずっといっしょにいてあげる』って、Aちゃんが言ってくれたんやろ？」

昔、Aちゃんが泣き虫な俺にしてくれたように、今度は俺がAちゃんを安心させる番や

手渡されたハンカチを握りしめ、ボロボロと溢れだした涙を拭っていく。ずっと追い求めていた子が、自分を好きだと言ってくれた

夢かと錯覚するくらいに、言葉では言い表せないほどの幸福感に包まれる

ut「改めて、俺から言わせてな。Aちゃん、好きです、俺と付き合ってください」

一世一代の告白、空を切るように差し出した手に、数秒置いて、Aちゃんの手が重なる

「私で、良ければ…お願いします…！」

友人数人と遊びに来ている中での告白、ロマンチックとは言えないけれど、10数年、諦めずに好きでいてよかった、心からそう思った

片想いに終止符を、10年来の恋が、今ここで成就を告げた

もうそろそろ、2人きりの空間も終わりを迎える。泣き止んだAちゃんは俺の方をチラチラと見て、時折微笑む

ut「Aちゃん、大好きやで」

「私も、大好きだよ…！」

ぎこちないながらに好意を返してくれる。その初々しさに愛おしさが込上げる。これから慣れていくんかな、慣れへんうちは反応も楽しめるな

ut「Aちゃんは可愛ええな」

「も、もうすぐ下つくから…！下りる準備して、！」

いつものように受け流されてしまうけど、顔赤いのバレてんで。隠されたら嫌やから言わへんけど

はぁ、

ほんま、

俺の彼女ははめちゃくちゃ可愛い！