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sideーA
「そろそろ花火見えるとこ行こっか」
ut「あ、もうそんな時間やった？Aちゃんとおると時間の進み早いわぁ」
花火がよく見えるという河川敷の坂の上、まだお祭りもやっているというのに場所取りをする人達が多かった
その中には子供連れの家族も多く、微笑ましい光景に気を取られていると、ドンッと何かがぶつかる感覚がしてよろめく
「わっ、！」
やばい、倒れる…痛みと衝撃を覚悟した私の身体は、硬いコンクリートではなく柔らかい布に押し当たる
「す、すみません！ほら、けんくんも謝って！」
「ごめんなさぁい！！」
ut「いえいえ、元気なお子さんでええですね」
ぶつかってきたものの正体であろう子供と、そのお母さんらしき人の声。頭上から声がして、咄嗟に鬱くんが手を離し、抱きとめてくれたことを理解した
すごく恥ずかしい、早く、お礼言わなきゃいけないのに、胸がドキドキして、心臓がバクバクしてて、今日の私、なんか変…
ut「っと…Aちゃん大丈夫やった？怪我しとらん？」
「う、うん…ありがと…！」
こんな道のど真ん中でいつまでも突っ立っているわけにもいかず、平静を取り繕いながら離れる。すると、鬱くんが閃いたように口を開く
ut「ここ人多いし、あそこ行かへん？あの神社」
「神社って…昔よく遊んだとこ？」
ut「そうそう、あそこ少し高台になっとるし、花火もよう見えるやろ」
鬱くんが言うのはこの近くにある神社、小さい頃はよく遊びに来ていたけど、今はどうなってるんだろ…
神社の近況も気になり、その提案に頷いた
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作者名：椿 | 作成日時：2021年5月10日 0時
