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sideーut
『…では皆さん、充実した夏休みを過ごしてください』
『きりーつ、気をつけ、礼』
梅雨も明けた一学期の終業式、長ったらしい校長先生の話が終わり、明日からとうとう夏休みだ
「明日から夏休みだけど、鬱くんはやること決まってるの？」
ut「んー、あんま考えてへんわ、Aちゃんは？」
「私もきっちり考えてるわけじゃないけど…夏期講習は必須だよね、あとは皆でお出かけしたい！」
ut「それええな、アイツらにも声掛けとくわ」
Aちゃんと歩く帰り道で長い夏休みの予定を考えていると、道路を挟んだ先に提灯がつられていた。割と大規模な祭りだからか、そこら一帯を通行止めにするための目印だろうか
今年は、二人で行くんよな…誘いを受けた日のことを思い出しては頬が緩む。しかしそれはAちゃんも同じだったようで
「お祭りもうすぐだね、楽しみだなぁ」
ut「せやね、雨降らんとええけど…」
「うぅ…てるてる坊主たくさん作らなきゃ…」
その発想が可愛いもんな、何やてるてる坊主沢山作るって、想像しただけでばり可愛いやん
「あ、それでね、お母さんがせっかくなら浴衣着ていきなさいってうるさくて…鬱くんの分もあるらしいの」
ut「え！？何で俺の分まであるん！？」
「お父さんが若い頃に着てたらしくて、私も現物は見たことないんだけどね？」
どうかな、と視線で訴える彼女に、OKサインを出す。せっかくやしな、浴衣のが風情あるやろ
ut「Aちゃんの浴衣姿見れるんかぁ、楽しみやわ…！」
「もー！お祭りがメインなんだからね！」
勿論祭りも楽しみやけど、浴衣姿のAちゃんのが何倍も楽しみに決まっとるやん。口に出してしまっては怒られそうなので、静かに飲み込んだ
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作者名：椿 | 作成日時：2021年5月10日 0時
