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sideーA
コン、コン
「失礼しまーす…鬱くん起きてる…？」
ut「Aちゃんおかえり！起きとるよ！」
放課後になり、荷物を持って鬱くんの部屋へと来た。今朝よりは元気そうでほっとする。明日は一緒に学校行けるかなぁ
「これ、ロボロくんから、プリントとノートのコピーだって」
ut「ロボロが？アイツいいとこあるやん」
「学校行ったらちゃんとお礼言ってね、一人でやってくれたんだから」
ut「シッマはこういうの苦手そうやしな」
雑談に花を咲かせていると、不意に携帯が振動する。何かと思い確認すると、ロボロくんから追加の連絡事項が送られてきていた
「鬱くん、明日の一限自習になるんだって、ロボロくんからLIME来てるよ」
ut「ほんま？え、待って？ロボロとLIME交換したん？」
「あ、今日交換したの！Ｂ組の連絡事項とか教えてもらうのに便利だからって」
それを聞くと黙りこくってしまう鬱くん、あれ、デジャヴ…？そう考えていると、手招きされベッドに腰掛ける鬱くんに歩み寄ると、そのまま抱きつかれてしまった
「き、急にどうしたの…？どこか痛い…？」
ut「…絶対礼なんか言ってやらんわ」
「え！だめだよ！ちゃんとお礼言わないと！」
ut「皆ずるいわ、俺がおらんからってAちゃんに近づいて、シャオちゃんなんか写真まで」
「しゃし、ん…？」
あっ、と声を出すと今度は先程とは変わって気まずそうに口を閉ざす。何！？どういうこと！？シャオちゃんめ〜！明日問いつめてやるんだから！
今すぐにでも問い詰めたいくらいだけど、鬱くんに半ば拘束されている状態では携帯を触ることは不可能。お腹の辺りがじんわり暖かい、やっぱりまだ少し熱がある
「もう少し寝てよっか」
ut「それは嫌や、せっかくAちゃんが帰ってきたのに」
「早く寝て治して、またみんなで遊ぼうよ」
まだ押しが弱いようで離してはくれない。鬱くんに効くような言葉は…
「寝るまでここにいるから、ね？」
ut「…いなくならんとってな」
「うん、私はここにいるよ」
漸く解放され、再び横になる。やはり良くなったとはいえ眠気や倦怠感は残っていたようで、手を握っていると直ぐにうとうとし始めてきた
ut「Aちゃん…」
「ん？なぁに？」
ut「明日は、一緒に学校行こな」
「そうだね、ちゃんと一緒に行こうね」
何度目かの約束をして、鬱くんは眠りについた
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作者名：椿 | 作成日時：2021年5月10日 0時
