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sideーut
「鬱くん、！」
階段を駆け上がる音、ノックもなしに扉の開く音、普段真面目な彼女からはあまり想像できない、それほど焦りを感じているということだろう
「風邪ひいたっておばさんから聞いて…」
ut「情報行くの早いなぁ…ちょっと熱出ただけやから」
「ごめん、昨日、私が傘ふたつ持ってれば…」
ut「Aちゃんが謝る必要なんてないやん、元はと言えば俺が傘忘れたんが悪いし、不摂生が健康に響いただけやから、な？」
申し訳なさそうに俯いてしまうAちゃん、風邪やなかったら頭撫でられるのに、近づかれへんって嫌やなぁ、
ut「Aちゃんは学校やろ？気ぃつけてな」
「うん…ロボロくんとかコネシマくんにノート取ってもらうよう頼んでみるね、あと連絡事項とか、出来るだけ情報逃さないようにするから、！」
ut「めっちゃ頼もしいやん、流石Aちゃんやわ」
…俺がおらん時に、アイツらと話すんか。元凶が自分とはいえあまり好ましくない状況
ロボロは特にAちゃんにうつつ抜かしとるとこあるしな、ほんまアイツ…しばいたろか
「じゃあ、行ってくるね。寝てなきゃダメだからね？」
ut「大丈夫やって、Aちゃんも無理はあかんよ、行ってらっしゃい」
「うん、行ってきます」
なんか今の、新婚さんみたいやんな。遠ざかっていく足音は自分の咳でかき消される。少し雨に濡れたくらいで風邪って、かっこわる
せやけど、風邪ひいたんがAちゃんやなくて俺でよかったわ、Aちゃんが風邪とか発狂モンやで
熱のせいで気だるい身体を気力で動かし寝返りをうつ、風邪薬を服用したおかげか、段々と眠気の波が押し寄せてきた
少し寝よか、毛布をかぶり目を閉じた
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作者名：椿 | 作成日時：2021年5月10日 0時
