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貴方side
優しい光とともにエドラ周辺に六芒星の魔法陣が浮き上がる
その光があいつを包んでいく…
普通ならこのまま光とともに空へ舞うんだけど…そうもいかないみたい
灰になって消えてしまう
『ねぇこんなことってあるの…?』
「普通はないな…堕天してたからやもしれん…」
倭国風に両手を合わせる
次は善人になって欲しい
転生説を信じてみようかな…
悪夢がようやく冷めたような感覚がする
そしてこの歪んだ空間がさらに歪んでグルグル回る…
………
……
…
.
ハッと目を覚ます
目の前にはドアップの鬱
メガネちゃんと取って寝てる…
まだ朝の明け方。まだぐっすり寝てる時間
起きなくてもいいのでこのまま観察してみよう
長い前髪を避けて顔を見る
せっかく整ってるのに隠してたら勿体ない
この戦争が始まってから…始まる前も頼ってばっかだった
貴方がいたからこの戦争で犠牲がいなかった
しかも天界相手に勝利を収められた…
『鬱…ありがとう』
あの時の約束、そして感謝の意を込めて唇にキスを落とす
「…ッ!Aちゃんからしてくれるなんて…ほんま嬉しいわ…」
寝惚けているせいでか、ふにゃっと目を細めて笑う
その様子が子供っぽくて可愛らしい
『起きてたんだね…?寝てると思ったのに…』
「寝てたら
え"…
じゃあ偽鬱に迫られたってことは…
『うっわ最悪、仮にもフッた相手に襲われるなんて…』
「せや、勝負は僕の勝ち…でええんか?」
『うん。見事に落とされちゃった…鬱が好きなんだ』
すると人差し指を唇につけられる
「Aちゃん…嘘はいかんで?ちゃんとその口で行ってくれな伝わらんよ?」
この…心の中を覗いてるくせによく言うよ…
でも…言わないよ、この5文字を今は
『そういう鬱こそ言ってくれなきゃなー…他の人のとこ行こっかな…』
「それだけはだめや、嘘やとしてもだめ…はぁ…わがままな女王様やな…僕はAちゃんの事を愛してる…せやから、ゆくゆくは僕の妻になって…くれんか?」
そんなことを言いながらちゃっかり私の左手の薬指に指輪を入れていく。さらに中指に蒼色の綺麗な指輪も入れていた
そんなの当たり前じゃない…!
『もちろん!!』
-Fin-
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作者名:くいな | 作成日時:2019年11月28日 20時