私が応援してあげます【uszw】 (ページ14)

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マフラーページ14

+side:you

｢お待たせ｣
『うん、まじ待った』
｢そこは“待ってないよ”って言えよぉ！｣
『まず先に着いてるのは男なんじゃない？普通。』
｢少女漫画の世界だろそれ｣
『現実でも女が待ってないよっていうと思うなよ』

俺限定だろそれ
よくお分かりで

出会い頭から言い合いをはじめてしまうのはほぼ癖に変わりないだろう。
はあ、と白い息とため息を吐く

『そうだ牛沢マフラー返す』
｢あ？あー、って、お前今つけてんじゃねぇか｣
『忘れないようにつけてきたんだよ』
｢お前のマフラーは？｣
『カバン中』
｢出すから後ろ向いて｣

色気のないごついリュック
でももしここでいつもと違う感じできたら心配されるだろうな

｢可愛いやつじゃん。シンプルで｣
『クリスマスにガッチサンタがマフラーない私にプレゼントしてくれたのだよ！』
｢あー、通りで白なんだ｣
『真っ黒クロスケだからってくれた』
｢でも寒いうちしか真っ黒クロスケ改善されないじゃん｣
『それ言うたらあかんやつや』

エセ関西弁はレトさんに怒られんぞ
許せるエセ関西弁って言われたからいいの

牛沢がするっと私がつけていたマフラーをとる
寒い。冷たい空気があたたまった首元にあたりぶるりと身震いした。そこにすぐ牛沢がカバンの中に入りっぱなしだった冷えているマフラーを巻き付ける。
角度が悪いと抱き着いているように見えそうだ

マフラーを取られた時、牛沢のかおりと自分の体温が混ざって牛沢が離れていってしまうみたいな感覚があって少し寂しかった。
でも実際、彼は私から着々と離れていくんだろう

｢おし、じゃ巻いて｣
『おうよ思いっきり締めてやんよ』
｢殺す気だろお前｣

身長の変わらない牛沢にマフラーを巻き付けて、後ろを向いてもらって緩く結ぶ
首を絞めたりはしない。流石に
...高校の時の私ならやっていただろう

｢さんきゅー。お前の体温残っててぬくいな｣
『……変態？』
｢誰もお前に興奮しねぇよ｣
『失礼だな。これでも女だぞ』

二人肩を並べてゆったりと歩き出す。
行くのは決まってゲーセンか双方の家かどこか遊び場か

でも今日は足が映画に向かう。

珍しく映画を見に行く。
喋ってボロが出ないために

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