私が応援してあげます【uszw】 (ページ2)

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距離感ページ2

+side:you

せいぜい、友達以上恋人未満ってやつだ

｢そんで俺どーすればいいと思う？｣
『あーもーめんどくせぇな告れよ男だろ』
｢無理無理無理！！！｣

意気地無し
うるせぇガサツ野郎

悪口を言い合う
それは日常的なもの

“幼馴染み”

それは高い高い壁であり
それはぐるぐると体を雁字搦(がんじがら)めにする縄でもある

高い高い壁を登る術等なく
縄を断ち切るナイフ等なく

壁は時が経つほど高くなり
縄は時が経つほどきつく締まり

そして、男と女という関係は薄まり、無くなる

家族愛
その言葉が当てはまる

｢つか、お前彼氏作んねぇの？｣
『はっ出来るとでも？』
｢開き直んなや｣

無防備だなあ、仮にも有名な実況者なのに
私が彼女かもって、騒がれたりしないかな
そしたら否が応でも男女であることを思い出すのに
でも牛沢の事だし｢お前に迷惑かかるから｣とかいって距離置いたり｢こいつはただの幼馴染みだ｣って言って関係はそのままだったりするんだろうな

きっと、少女漫画みたいな展開にはならない

焼酎を飲んで顔をテーブルに打ち付ける
ガシャン、とつまみの食器なんかが揺れる

あぁ、おでこ痛い

｢ぅおっビビったー
どしたお前｣
『...沢のヘタレ度に呆れた。』
｢...あっそー｣
『はよくっついてーや
キヨ君も言っとったで』

あとレトさんとフジとガッチさんとゆげぽとみかると...
と名前を出して指で数えていく

多くない？どんだけ俺の好きな人知ってんだよ
と恥ずかしそうに酒を煽る
わかりやすいからな、と腕を組んで顔を伏せた
わかりやすいから、苦しいんだよ
その言葉を飲み込んでつい寝かかってしまう

｢おいお前寝んなよ｣
『...む"ー』

カチャカチャと牛沢が食器を動かす音
他の部屋から聞こえてくる笑い声やガヤガヤとした賑わい

二人だけの個室
いつもと変わりないはずなのに変に期待してる自分がいた
それはこの前聖奈と牛沢がちょっとした喧嘩したからだろう

｢...悩みあんなら話せよ｣
『ヘタレに頼ってもな』
｢あーあーそうですかあー｣
『......牛沢には言いづらい事もあるよ。
長い間一緒にいたから、余計に』
｢そ、...まあ、無理すんなよ｣

机の向こうから伸びてきた手が私の頭を撫でる
優しくて大きくて落ち着く手

私だけのものに出来ればいいのに

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