煩い (ページ1)

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1話ページ1

煩い

スマホのアラーム音に起こされ、私はボサボサの髪を結う為に洗面所に向かった

外から近所の子供が騒がしく登校をしている音を聞いて一層気が重くなった。

抜けた髪の毛がそのままにしてある櫛で髪を梳かし、髪を整え、あの人のような髪型にする。

洗剤の匂いが取れかかった、皺のあるシャツのボタンを閉じ、スカートを履く。

「朝ご飯食べなさいよ」

「いや、今日はいい」

田舎道を歩き、古い電車に乗る

「おはよ」

「ん」

女子高生の爽やかな制汗剤の匂い、甘ったるい香水の匂い。男性の暑苦しい汗。そんな匂いが充満していた

電車は座れる場所はあるものの、やはり混んでいた

「眠」

「それな」

小中高で一緒に居るのに、あまり変わらない距離感。

「あ」

「課題忘れた」

「やばくね？2限目じゃん」

「やってないんだが」

「写させんぞ」

「ジュースでどうよ」

「了解」

課題の代わりにジュースを奢ってもらう口約束をしてもらった

服に纏う汗が一層重くなった気がした