僕の気持ち【JIN】 (ページ30)

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涙ページ30

『そうですよね…すみません。』

困ったような顔で笑う彼女にまた腹が立つ

頭では抑えようと思っても気づいたら僕の口は動いていた

「何笑ってるんだよ。悲しいなら泣けよ。そんで助けてもらえよ。弟達に助けてもらえばいいだろ？ジンさんに泣かされましたって言えばいいだろ？ほら早く泣けよ！」

『え…？』

「早く泣けって！！」

『なんでジンさん泣いてるんですか…？』

「は…？」

その瞬間僕の頬を伝う冷たい感触を感じた

あぁ。僕は泣いているらしい

僕に泣く権利なんてないのに

早く彼女に謝らなくちゃ

だが口は止まってくれない

思ってもいないような言葉が口から出ていく

「お前目障りなんだよ。早く出ていけよ。僕の弟達を取るなよ」

「早く出ていけよ！！お前の事嫌いなんだよ！」

『はい…！』

そう言って彼女は玄関へ向かい本当に外に行ってしまったようだ

後ろを向いていたので分からないが恐らく泣いていたのだろう

小さな肩が微かに震えているのが見えた

あぁ。そうか。

僕は彼女が羨ましかったんだ

嫉妬していたんだ

だからずっと彼女の事を心から信用していなかったんだ

弟達を取られたみたいで嫌だったんだ

なんだ。僕の方が彼女より子どもじゃないか

そう理解した瞬間涙が溢れ出る

早く彼女を引き止めなくちゃ

いや僕に引き止める権利なんてあるのか？

どうせ僕は物語の主役にはなれない

所詮僕は悪役なんだ