横浜の相談役

No.29 ページ33

----夜----

AがQの監 禁場所に着くと組合の構成員は全員倒れ、人の形をしていない生き物とそれを見て驚いている二人の人物が居た。
Aは邪魔になると思い木の影に隠れた。
そこから周りの様子を見ると、砂色の外套と特徴的な帽子が見えた。
如何やら、Aの予想通りだったらしい。

そして、暫く見ていると太宰さんの右手が無い事に気付いた。
最初は驚くが、その後直ぐに本物の腕が出てくる。大方、何か入っていたのだろう。あの太宰さんが意味もなくギプスする訳が無い。と、Aは思った。
そして、おちょくられた相手であろう中也と何か言い合いをするがやがて、何かを決意したであろう中也が手袋を外しながら人外の生物ーーラウブクラフトーーに近づいていく。

如何やら汚濁の始まりだったらしく、中也がいつも身につけていた帽子が風で吹き飛び、身体の至る所に赤い模様が浮かび上がる。

するといきなり、中也が勢い良く空中に飛び出し、手から重力の弾を作り出しラウブクラフトに打ち込んでいく。
当然命中し、中った部分が削れるが一瞬の内に再生する。

その再生能力を見つつ、この間見た組合構成員の異能力者情報を思い出しながら、恐ろしい異能力だ。と内心Aは思った。

Aが考え事をしている時、ラウブクラフトの近くで爆発が起こった。
内心、何故？と思いつつも先程取れた太宰さんの腕を思い出し、納得した。

(外側がダメなら内側と云う訳ですか…)

案の定ラウブクラフトにダメージを与える事に成功し、その隙に中也が大きな重力弾を叩きこんだ。







人外の生物が消えた。と思うが中也は未だ重力弾を至る所に投げている。
大きな一撃を入れようとした瞬間、太宰さんが中也の腕を掴んだ。
異能力特有の文字の光が異能力を発動した事を証明する。

中也から赤い模様が消えると身体に負担がきたのか膝をついてしまった。
その後、太宰さんを力弱く拳を当てると限界だったのか、中也は倒れてしまった。

太宰さんは立ち上がると所々怪我をした組合構成員ーージョン・スタインベックーーと何かを話した後、当然のように帰ってしまった。


A「え？放置ですか？」


ーーーーーー
はい。皆様ごきげんよう！

お話しはここで一旦終わりです。次は太宰さんと乱歩さんが作戦を立てる所から始まります。楽しみにしていただけると幸いです。

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