愛奪、逢い立つ (ページ1)

今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:617 hit

誰か、ページ1

「好き、」

そう呟けば返って来るのは当たり前の話で、

「俺も、」

幼馴染の彼の手は温かいのも当たり前の話で、

「幸せ、」

そうであることも当たり前の話で、

「そうかよ、」

優しいなあ、何て、

「好き、」

そんなの当たり前、

「じゃあ俺は愛してる、」

「ねえ京ちゃん、書類整理手伝って。」

「何で俺が…。」

「間に合わないの！」

「…しょうがねえな、」

よし、勝った。

私はA。

生徒会長やってるんだけど、これがまた大変。

昼休みにやってくる幼馴染であり彼氏の京ちゃんに手伝いを要求する。

いやさ…だって、いつも携帯カコカコしてんなら手伝えって話。

「その代わり、肉まん奢れよ。」

「放課後？
京ちゃん部活あるんでしょ？」

「待ってろ。」

「えーやだ、寒いもん。」

「…手、繋いでやるから。」

「本当？！」

あ、今負けたような気がする。

だって、京ちゃんいつも手繋ごうって言っても繋いでくれないんだもん。

外はすっかり冬景色なのに…手袋だけじゃ寒いよ、

京ちゃんの手が恋しい…。